月刊フルーツライフ No.114(通算142号) |
ビーガンケーキ全国のイオンでいよいよ発売!
あんしんがとうビーガンケーキが、四月から全国のイオン(北海道を除く)で発売されます。
環境と健康を考える
ビーガン”Vegan”とは何でしょう?
ビーガンが世界中で話題となったのは、昨年英グラスゴーで開催されたCOP26がきっかけでした。
ビーガンとは、菜食主義・ベジタリアンと同じように考えられてきましたが、最近では動物性食品を摂らない人々の食生活を指しています。
COP26は気候変動を話し合う重要な国際会議でした。今世界の最優先事項は温暖化対策です。食品部門は全温室効果ガス排出量の1/3以上を占め速やかな対策が求められています。
その中で最大の環境負担食品が食肉と乳製品です。畜産は大量の土地と水と飼料が必要な上に、牛のゲップのメタンの温暖化係数はCO2の30倍以上です。
テニスのノバク・ジョコビッチやビーナス・ウィリアムスはビーガンがアスリートにとって最適な食事とし実践しています。
健康を考えた場合、動物性タンパク質を摂取するより、野菜や果物、大豆などの植物性食品を摂る方が体に良いとトップアスリートは考えているわけです。
環境省の21年度版白書にこう明記されています。
「何を食べるのかという選択、そして食べた後の配慮の積み重ねが環境に大きな影響を与えています」
ポール・マッカートニーが進める
”Meat Free Monday Campaign”のように、先ず月曜日の一日から、植物性食品だけの食事にすることから始めてみる、そうした試みが世界中で始まっています。
環境と人権を考える
食は文化です。宗教や民族、地域や伝統によって様々な食が生まれてきました。イスラム圏では豚肉を食べませんし、ヒンドゥー教徒の間では牛を食べることが禁忌となっています。さらに動物愛護から肉食をしない人が多くなっています。
楽しいはずの食事が人によって様々 な制約を含んでいます。人種、民族、宗教、そうした人々の多様性が重んじられる中、皆で楽しく同じものを食べるかたちはあるのでしょうか?
その答えがビーガンです。
八王子市立浅川小学校では、二ヶ月に一度ビーガン給食を始めました。”エブリワン・ビーガン給食”と名付けられた給食は公立学校として初めての試みです。
六年生の男児は「ビーガン給食は動物の命を奪わない給食で、環境にも体にも良いと思いました」と反響は上々です。
レバノン、ベイルートのハイエク病院は、入院患者に動物性食品 を一切出さない完全ビーガン病院です。
ジョージ・ハイエク院長は「コレストロールとクルエルティー(残虐性)ゼロの病院食です」と胸を張ります。
子どもの成長に重要な役割を果たす学校給食、 体力を回復させ治療につなげる病院食、こうした試みは、ビーガンが栄養やカロリーでマイナスがないことを表しています。
動物福祉という考え方
欧米では動物福祉(AW)”Animal Welfare”という考えが定着しています。動物には国際獣疫事務局(OIE)の五つの自由の保障が求められています。
①飢えと渇きからの自由
②傷害又は疾病からの自由
③恐怖及び苦痛からの自由
④物理的不快さからの自由
⑤正常な行動のできる自由
ニッポンハムGPは長期ビジョンの中で、環境と人権に並んで動物福祉を重視する方針を明らかにしました。
制定されたアニマルウェルフェア(AW)ポリシーには「生命の恵みを大切に考え家畜におけるAWに考慮した事業を行うことが重要」とし「OIEの五つの自由原則を推進する」と明記されました。
さらに世界中で非難の的となっている妊娠ストール(身動きのできない檻)の廃止を宣言しました。因みに日本の養豚業の九割は妊娠ストールを使用しています。
動物に過酷なスイーツ
スイーツの製造に欠かせないバターやチーズは乳牛から、卵は雌鶏から生産されます。
昨年一月、ドイツで雄ひよこの殺処分(年間4,500万羽)が問題となり、動物福祉法(AWL)が改正され殺処分禁止となりました。
2021年、EUでは鶏のバタリーケージでの飼育は禁止となり、アメリカの多くの州でもAW上禁止とされています。因みに日本の鶏卵業のほとんどはバタリーケージを使用しています。
魔法がスイーツには宿っています。暮らしを豊かにし心を満たしてくれる魔法がスイーツです。
しかしスイーツから生まれる幸せが動物たちの不幸を代償としていては本当の幸せとは言えません。
ギルティフリーはスイーツにこそ求められる言葉です。動物性原料を使用しないことで環境と動物福祉に寄与し、心も体も幸せになることができる、それがビーガンスイーツです。
そうした時代がやってきた…
FLはアレルギーデザートを通して安心して食べられるものを開発してきました。しかしアレルギー対応デザートが一部の人を対象としたものであったのに対し、ビーガン対応デザートは全ての人が対象です。
まだ日本では耳新しいビーガンも数年後には一般的になっています。何故ならそれは環境と動物福祉という人類が守らなければならないものがスイーツという形になっているからです。
人権は人以外の動物にも倫理的配慮を与えるべきものに拡大しつつあります。
FLは時代の先を見詰めさらにチャレンジを続けていきます。
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