月刊フルーツライフ No.130 |
有機パインスライスいよいよ生産開始!
有機パイナップル缶の輸入開始と、加工食品(缶詰)の有機JAS認証取得により有機パインスライスの製造が可能になりました。
有機パインスライス缶のラベルデザインは、自然と生物多様性/Nature & Biodiversity を表現したアート感あふれるものです。
オーガニック給食使用への急速な流れ
みどりの食料システム法の成立に伴い、全国の自治体が学校給食で有機食材を積極的に採用しようとしています。
国会内でも超党派で「オーガニック給食を全国に実現する議員連盟」が立ち上げられました。
こうしたオーガニック給食の流れ は、FLが6月サトー商会盛岡営業所展示会に出展した際にも、多くの学校関係者から有機食材を求める声があったことからも窺われます。
先ず学校給食の登録から
学校給食では物資登録が必要となります。新たに登録する物資を教育委員会が評価を重ね採否を決定します。
一般的に登録には一年以上の時間が必要とされますが、この間の有機食材採用の流れでは短期間での採用が決まる事例もあります。これは国や行政トップのオーガニック給食推進への意向が働いているものと思われます。
現在FLのオーガニックフルーツのラインナップは、左の三品目です。
・チルド個包装/NZ産キウイ
・冷凍個包装/Thai産パインスライス
・缶詰/Thai産パインスライス
今後FLは、りんご・オレンジ等オーガニックフルーツのラインナップを増やしていきます
TAGET AGRICULTURE
有機JAS国際認証
フルーツライフ(FL)が新たにオーガニックフルーツの契約を締結したターゲットアグリカルチャー(TA)はスリランカを拠点に、タイ・ベトナム・インドネシアに7企業を展開する多国籍企業で、EU・北米・豪州を中心にオーガニックフルーツを輸出しています。
ドイツ国籍のCEO、 Dr.Thomas Gerbracht は、28年前スリランカに旅行者として訪れたのをきっかけにスリランカで事業を始めました。
先のホーチミン市でのDr.トーマスとの会談では、TA社初となる日本国内販売の専売権の合意とともに、世界のオーガニック事情等多くのことを学ぶことができました。
世界の有機潮流
拡大するマーケット
Dr.トーマスは、世界のオーガニック需要は急速に拡大しており、現在では有機農業がその需要に追いついていないこと、USDA・EURO LEAF・biogro を始め先進国を中心に厳格な有機認証が生産の必須条件となっていること、そしてその一つに日本の有機JASがあることを話しました。
こうした有機認証制度は農家の努力で取得できるものではなく、国際認証コンサルタントがビジネスとしてトータルなシステムを構築し、土壌や農家を一から作り上げていくものであり、資本投資を惜しんでは成し得ないと話していました。
因みにTAは、世界各国の有機認証を取得するためオランダのオーガニック認証専門機関 CONTROL UNIONの下で認証を取得しています。
現在オーガニックは、食品に留まらず全ての製品に拡大しています。
衣服や化粧品の GOTS・COSMOS ORGANIC 認証は既にスタンダードになりつつあり、加えてダウン・ウール等の動物を対象とした製品にはアニマルウェルフェア(動物福祉)の遵守、人権問題としてのフェアトレードが、EU・北米・豪州のセールススタンダードになりつつあります。
果たしてこうした有機潮流をメインストリームに押し上げている力とは何なのでしょう?
Climate Justiceが問う正義の意味
気候正義/Climate Justice 或いは環境正義/Environment Justice という言葉を耳にするようになりました。
気候正義とは、急激に進む地球温暖化により地球規模の災害が頻発するようになり、世界の優先順位の一番に温暖化対策を挙げようとするものです。
先日タイメーカーとのミーティングで、今夏のパイナップルの作柄はエルニーニョの影響で最悪であると報告がありました。
エルニーニョはペルー沖の海水温が上昇し、数年周期でアジア太平洋地域に高温と干魃をもたらす現象です。
今年は温暖化の影響も相俟ってスーパーエルニーニョといわれ、パイナップル生産に過酷な気象条件が数年続くのではないかと予想されています。
パリ協定が結ばれて十年が経ちました。世界には平均気温を産業革命時の+1.5度とする約束があります。
この約束を守るために世界中で温室効果ガス(GHG)の削減が進められています。しかしGHG削減が取りわけ進んでいない食品セクターには数々の課題が突きつけられています。
化学肥料・農薬を使用しない有機農業を一定割合で義務化し環境負担を軽減、農業分野最大のGHG排出源である畜産と水田のメタン削減、この二つが火急の課題とされています。
またフードサプライチェーンには全食品の1/3に及ぶフードロスと大量使用するプラ製品の削減が迫られています。
更に農水省は鶏・豚・牛の飼育をEU並のアニマルウェルフェアとする改善指針を発表しました。
有機農業は土地の本来持っている力を回復し地球環境を保全します。何より人にとって健康で安全な食品をつくります。
FLはオーガニックフルーツパイオニア企業として環境正義の旗を高く掲げていきます。