月刊フルーツライフ No.139 |
進み始めた新事業 2
オーガニックパイン
昨年スタートしたオーガニックパイン1号缶に加え消費者向け15オンス缶(3号缶相当)が出来上がりました。
新開発した15オンス缶は家庭で開缶しそのまま喫食します。
そのためパインは繊維質が少ない高糖度のチョイスグレードを使用し、シロップは程よい甘さの有機砂糖ライトシロップで開発しました。もちろん有機JAS認証取得品です。
ライフ/ビオラル
有機パインスライス缶販売
ビオラルでオーガニックパイン缶の発売が始まります。
ビオラルは、ライフコーポレーションが展開するオーガニックストアで、大阪・東京を中心に出店を増やしています。
ビオセボン・自然食品F&Fをはじめ都市部でオーガニックストアの出店が相次いでいます。これは、安全で美味しい食材を求める消費者ニーズの拡大を、ライフ・イオン等大手スーパーが新たなビジネスチャンスとして捉えているからです。
COOP/アイチョイス
有機パインスライス缶販売
アイチョイスでオーガニックパイン缶の発売が始まります。
アイチョイスは日本生活協同組合連合会に加盟する生協のなかでも食の安全にこだわりを持った生協です。
アイチョイスのラインナップには「自然派・有機」が並び、化学調味料排除・食品添加物自主規制の言葉が大きく表示されています。
そうした時代がやってきた
食品には数多くの化学調味料や添加物が含まれています。本来補助的役割を持ち、安全性を高め、美味しさを増す役割を果たすものです。しかし今では化学物質の多さから、消費者は一般加工食品に不安を覚えるようになっています。とりわけ身体への影響の大きい成長期の子どもには安心したものを食べさせたいと思っています。
そうしたなか有機食品は化学肥料も農薬も使用しない自然由来の食品であり、有機証明のない添加物の使用もありません。
環境問題としてのオーガニック
FLがオーガニックを推進するもう一つの理由は環境問題です。
国連の発表によると過去45年間で耕作地の40%が消失し、毎年1千万haの耕作地が失われています。
国連環境計画UNEPは、安価な作物を生産するために、化学肥料・殺虫剤・エネルギー・水を大量に使用し、効率を求めた単一栽培が環境に脅威を与え86%の種を絶滅に追い込んでいるとしています。一方有機農業は、土壌の劣化を防ぎ生物多様性を保全するものです。
食は人が生きていく源です。その源である農業を持続可能にしていくためには豊かな自然が必要です。その自然との共生の道が有機農業です。
国連はUNEPをはじめWFP等あらゆる機関で有機農業を推奨しています。EUでは2030年までに全農地面積の30%を有機農地とする公約を発表しています。
尾鷲甘夏方式の全国展開
一方日本の農産物総生産量の有機農産物の占める割合は1%弱、有機農業云々というレベルではありません。しかし緑の食料システム法成立を受け拡大の要素は生まれはじめています。
5月にFLが尾鷲市で予定する有機農家と学校給食を結ぶ取り組みはそのリーディングケースになると思います。
地域特産の果物を有機生産する農家は年々増えています。一方で安定した販売先が確保できない現実があります。そこで収穫した有機果物を総量買上げ→学校給食で使用する方式が尾鷲甘夏方式です。
意欲ある農家と学校給食を結び、市町村を媒介として全国に展開していく方法で日本の有機農業を拡大していきたいと思います。
始まるプラスチック規制
3月4日、EUは食品包装のプラスチック規制を発表しました。
食品業界はプラスチックを大量に使用し、殆どが一度限りの使い捨てであることが問題になっています。
今回の規制では、食品包装にリサイクル可能素材を義務付け、多層フィルムの使用を禁止しています。
多層フィルムは複数の素材から作られ、密閉性が高い反面リサイクルが困難で、カップ麺やレトルト食品に多用されています。
さらにプラスチック規制条約の制定が年内目標に進んでおり、フードサプライチェーンはプラスチック使用削減に本気で取り組むことが迫られています。因みにFLは3年前からパック容器を全てプラスチックからバイオ容器に変更しています。
北から南フルーツと私のひと月
北海道から九州にサンプルと提案書を持って駆け抜けた3月、確実に新たなマーケットを開拓しつつあります。
北海道では大槻食材と協働の下、ANAクラウンH札幌・千歳、京王プラザH札幌、ヒルトンニセコ…と納入が決定し、5月からの観光ハイシーズンに向け体制を整えています。
長崎ハウステンボスでは、レンブラントルームと呼ばれるレセプションルームで、各ホテル総料理長と管理側トップの総勢15名程の前で左のようなプレゼンを行いました。
「フルーツのような端の食材はメーカーに任せていただき、シェフには本来の料理を作ってもらい、管理者には現場でどれだけスムーズなオペレーションを組み立てられるかが要求され、全てのサービスをホテル内だけで提供することは困難です」
結果は直営5ホテル(デンハーグ、ヨーロッパ、アムステルダム、ローレライ、ロッテルダム)全て採用となりました。そして採用の一番の理由は人手不足でした。
協食徳山展示会に参加
山口県周南市で開催された協食東部地区展示会に参加しました。
FLは学校給食のJFSA共販メーカーのため、フルーツと私・メディカルフルーツの認知度が低く、展示会では新事業を紹介する良い機会となりました。
工場訪問と勉強会
協食展示会に続き、中村角GP中枢の業務食品部の精鋭3名が、FL工場を訪問して勉強会を開きました。
両社とも女性活躍の職場を創造していこうとしているだけあり、勉強会では其々2名の女性営業職が女性ならではの視点から食品事業について議論を尽くしました。
食品は女性に馴染みやすい職場です。ジェンダー平等実現を両社で担っていけることに希望を感じました。