月刊フルーツライフ No.143 |
Organic Produce Summit
9~11.July.2024
7月9日から三日間、米 カリフォルニア州モントレーで開催された Organic Produce Summit に参加しました。
OPSは毎年モントレーで開催されている全米最大の有機農産物サミットです。運営はOPS、後援しているのはUSDA(米農務省)です。
モントレーはロサンジェルスから飛行機で2時間ほどの海辺の小さな港街で、1958年から世界的に有名なMonterey Jazz Festival が毎年開催されています。
全米のオーガニックファームが集ったサミット
会場になったモントレーコンベンションホールには、全米から集まったオーガニックファーマーが野菜、穀類、果物を持ち寄りブースに展示していました。
コンベンションホールの2、3階ではそれぞれの分科会が開催され、時間を決めてファームとの商談会が開催されました。
因みにフルーツライフには左の予定が組まれました。ファームはオレンジ、キウイ、ナッツ等のファーマーとの商談が一日中続きました。
今回のOPSには海外からは、イギリス、フランス、オランダ、ドイツ、メキシコ等の参加者に加え、日本からFL代表が参加しました。
実際にアメリカに来てOPSに参加して感じたことは、米の有機農業は日本とは比べ物にならないほど進んでいるということでした。
多くの有機農場がそれぞれの得意分野で有機作物を作り、実際に作られた作物はスーパーマーケットに有機食材として並び、消費者が普通に手に取りバスケットに入れていました。
ラーニングセッションではオーガニック講演会
ラーニングでは一日3講演会開催されました。
Apple CEO の Tim Cook がするように、ステージ上を行きつ戻りつしながら、原稿も持たずに聴衆に話しかけるアメリカンスタイルの講演でした。
とはいえ、会話と違って早口で話される講義は、poor English の身としては正直ついていくことがなかなかできませんでした(涙)。
楽しかったパーティータイム
全ての日程の最後には立食パーティが開催されました。
三日間の短い時間とはいえ、一緒に過ごした仲間とは仕事以外の話も弾みました。一番仲良くなったのはメキシコの Ignacio でした。
全ての日程が終わり会場に片付けが入ると、すぐにフードバンクの大きな保冷車が2台横付けされました。
日本の食品業界の展示会では余った食材は全て廃棄、安全性を問題にしたとしても、それを考慮した上で廃棄しない、困っている人々に食料を配布するシステムができているカリフォルニアは日本とは違いすぎると感じました。
食品業界で仕事をしている私たちは、日本でもこうした取り組みは可能であると思います。食中毒のリスクを取り除いた上で余った食材を廃棄しない、困っている人々に食材を配布する。日本でも地域にはフードバンクはあります。
こうした取り組みができるかどうかかは単に主催者の意識の問題だけなのではないかと思いました。
モントレーからオレンジカウンティに
OPSが終わった翌日、モントレー空港からオレンジカウンティに向かいました。
プライベートジェットのような小さな機体での1時間半程の旅です。
空港の名は John Wayne Airport !
今回の旅で初めてアテンドが入りました。空港には WR International の方が迎えてくれアナハイムに向かいました。
WRインターナショナルは南カリフォルニアにある日系企業で、世界中で柑橘類を中心とした貿易を行っています。
世界中でオレンジが不足する中、日本国内でもオレンジが高騰し、オレンジが主たる品目であるホテル・メディカル事業に支障をきたしています。
そこで今回のカリフォルニア訪問のもう一つの仕事がオレンジの直輸入でした。
柑橘類の収穫は季節があります。カリフォルニアでは1~5月、夏以降はオーストラリア(6~8月はネーブル・8~12月はバレンシア)と北半球と南半球をリレーしながら年間通して供給しています。
パッキングハウスを視察
WRのオフィスからほど近いパッキングハウスを視察しました。近いといってもフリーウェイを2時間余りCCHパッキングハウスに到着しました。
カリフォルニアのオレンジの時期は終わっており、グレープフルーツとレモンの工程を視察しました。
いよいよオレンジ直輸入へ
二日間に渡る商談の末、FLはWRからオレンジを直輸入することに合意しました。
高騰するオレンジを安価で安定的に供給することで、ホテル・メディカル事業の競争力を高め、FLの新事業の寡占を一気に進めたいと思います。
厳しい状況の中メーカーが選択できる事は、値上げか製造コストを下げるかのどちらかです。FLは原料価格を大幅に下げる事でマーケットに挑戦していきます。