月刊フルーツライフ No.136 |
変わる世界、新しいビジネスの行方
明けましておめでとうございます
三年に及ぶコロナから解放され、扉を開けて外に出てみると戦争が始まっていた。
百年前、スペイン風邪が終わった ヨーロッパは第一次世界大戦の真っ只中だった。ロシアではボリシェヴィキ革命により帝政ロシアは打倒され、ウィーンでは七百年に及んだハプスブルグ帝国が終焉した。
ウィーン表現主義の批評家ヘルマン・バールはこの時代をこう語っている。
「これほどまでの恐怖にとらわれた時代、これほどまでに死の恐怖にとらわれた時代はかつてなかった。
世界がかくまで死んだように静まりかえった時代はなかった。人間がこれほど小さくなったことはなかった。人間がこれほどまでに怯えたことはなかった。喜びがこれほど遠く離れ、自由が死に絶えたことはなかった」
新年恒例!アジェンダチェック !!
新年恒例アジェンダチェック!
一年前の新年号でFLは五つのアジェンダを掲げました。果たして達成することができたのでしょうか…。
2023/FL Agenda
総括、何が達成できたか
1有機JAS認定工場の取得
トップに掲げた目標
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FLは2023年3月有機農産物小分業者、7月に有機加工食品小分業者の認証を取得しました。
二つの有機JAS認証の取得により、フレッシュフルーツと缶詰等加工果物の個包装製品に有機JAS表記が可能となりました。
更に原料となる有機パイナップルスライス缶をFLブランドとしてタイの有機対応工場で製品化しました。
2フルーツと私のスタンダード化
二番目の目標は営業対象の拡大
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病院・老健を対象としたメディカルフルーツを、昨秋からホテル外食系に営業提案を拡大しました。
コロナ明けの人手不足と原材料高騰に対するソリューションとして成長の萌芽を確実にしました。
3あんしんがとうの新たな展開
ヴィーガンケーキの拡大
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イオン以外のスーパー系には拡大できませんでした。
理由はスーパーデザート売場では高価格であることです。
欧米観光客が増加しており、ホテル系を対象にしたヴィーガンシートケーキを「フルーツと私」のアイテムの一つとして提案していこうと思います。
4海外事業の安定
コロナ/円安への対応
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昨年は急激に円安が進み通貨スワップが上限に達し解除、やむなくスポット相場での輸入となり原料調達価格が高騰しました。
新たに3本の通貨スワップを(約120USD/JPY)を契約しました。
6月バンコク・ThaiFexに、その後TAとの有機フルーツ契約にホーチミンに、11月には上海・寧波で商談することができました。
5雇用関係の見直し
年収の壁を企業自ら突破
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FLとして扶養外のパート従業員を数名増やすことができました。
しかし税制として確立された制度は、日本の社会に深く浸透しており一中小企業が変えることは至難の業です。
日本の社会はダイバーシティに程遠く、社会の活性化と労働力不足の解決は現状の制度のままでは困難と思います。
2024/FL Agenda
1ホテル・外食に本格参入
これまでFLはホテル・外食分野に提案を行なってきませんでした。
一番の理由は価格競争の厳しさでした。ただでさえ不安定な青果を原料とするメーカーとして価格競争は馴 染まないと考えてきたからです。
ところがコロナ明けが、FLメディカルフルーツに新たなビジネスステージを用意しました。
昨秋からヒルトンホテル名古屋へのフルーツの提供が始まりました。コロナ明けの宿泊客回復に対し、人手不足と原材料高騰に直面したヒルトンホテルが、FLオンデマンドフルーツを一つの解決策として採用したのです。
するとFLの提供する全国基幹病院のどこよりも多い売り上げとなりました。図らずもホテル・外食の爆発力を見せつけられる思いでした。
ホテル・外食分野は、これまで対象としてこなかったが故に、FLの新たな成長の起爆剤となります。
2営業力の強化
ホテル・外食に本格参入するにあたって営業力を強化します。
これまでFLは商品力による提案営業に徹してきました。しかし食品卸の主戦場であるホテル・外食系に本格的に参入するために機動力を備えた営業活動を始めます。
先ず来春開催される全国ヒルトン・コンラッドホテルの全総料理長への提案イベントへの参加を目指します。
ヒルトン名古屋単体の売上額から考えると、東京・大阪・九州…全国18ホテルへのオンデマンドフルーツ提供はこれまでと次元の違うビジネスを創造できると思います。
そして何よりオンデマンドフルーツがホテル側のソリューションとして採用されたことは、同時に他のホテルへの波及力が必ず伴うと思います。
3GHG排出量数値化→削減目標
ヒルトンをはじめ世界のトップ企業が優先順位一番に掲げているものが「環境と人権」です。
FLは2024年中にGHG(温室効果ガス)排出量を数値化します。
Scope 1 自社製造
Scope 2 電気・ガス
Scope 3
・Cat 1 青果・缶詰・材料・資材
・Cat 2 資本
・Cat 4,9 コクサイ・濃飛
ランテック・ヤマト
・Cat 5 廃棄(三和清掃)
・Cat 6,7 出張・通勤
このデータを基にして製品単位に落とし込みエコスコアを作成します。
エコスコアは既にEUでは始まっており、環境負担の少ない順にA緑・B黄緑・C黄・D橙・E赤と5段階のラベルで環境負担を表示したものです。
商品に環境負担を明示することは近い将来日本国内にも取り入れられていくと思います。
FLは環境と人権を標榜してきました。それがグリーンウオッシュと言われないためにもエコスコアを実現していきます。
3オーガニックフルーツ販売
昨年FLは有機パインスライスの製造を始めました。今年は販売に注力します。
学校給食の提案を進める一方、生協等環境意識の高い販売先を開拓していきます。
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社員一同更なる飛躍を目指して新年を迎えました。
今年もよろしくお願いします。