2022年 07月 02日
月刊FruitsLife No.118 |
二年半ぶりのタイ訪問
NatGroup CEOと会談
去る6月の最終週、およそ二年半ぶりにタイを訪問しました。最後にタイを訪れたのはコロナ感染が世 界中に拡大し始めた2020年2月のことでした。
この二年半余りで世界は様変わりしました。コロナ禍に加えウクライナで戦争が勃発し、石油を始めとしたエネルギー価格は高騰し、食料生産は滞り、世界の物流は混乱し停滞しています。
タイランドパスがあれば隔離のなくなったタイ
GDPの二割を観光に依存するタイ経済のコロナ禍による影響は深刻でした。
バンコクの玄関スワンナプーム国際空港は閑散とし、イミグレーションも並ぶことなく入国できました。
タイでは入国前に、パスポート・ワクチン・コロナ医療保険・滞在先などの情報をスマホに登録したタイランドパスを入手すれば隔離もなく全てフリーで移動することができます。
しかしバンコク市内は団体客はなく観光客もまばらでした。ホテルもレストランも外国人観光客の姿はほとんどなく、わずかに商用か個人旅行の欧米人がいるだけでした。
一時期軍事政権によってバンコク市内から一掃されたホームレスや物乞いが再び街角に見られるようになっていました。バンコク名物トゥクトゥクのドライバーは暇そうにアソーク辺りにたむろしていました。
ホアヒンハイリゾートへ
翌日バンコクを後に、FL輸入事業で最も重要なエージェントMiss Anchamaporn Maisonとホアヒンに向かいました。
ホアヒンはバンコクから車で4時間余り、シャム湾に面したハイリゾートです。ホアヒンには王族のサマーパレスがあり、タイでは最も格式の高い海辺の避暑地です。
先手を打っていた原料のリスクヘッジ
コロナ禍の三年前、東南アジア全域を襲った干ばつ被害でパイナップル生産が壊滅的な不作に見舞われました。
FLでは従来の提携工場の他にNaturalFruitsと新たな契約を結ぶことでパイン原料の安定確保のリスクヘッジを行ないました。
その結果、コロナ一年目、全国一斉休校明けの爆発的な学校給食需要に、夏の給食の主力製品パインスライスを欠品することなく供給することができました。
コロナ禍の間、NaturalFruitsの工場責任者やマーケティングマネージャーとはズーム等でミーティングを行なっていましたが、CEOとは未だ会う機会がありませんでした。
FLは例え海外であっても信頼関係は人と人の関係であるという考えの下マネージングしてきました。
話すことが山ほどあったNG・CEOとの会談
ミーティングはホアヒン市内の海辺のレストランで行われました。
ガラス張りの店内は空調が効きながらも海風が入ってくる設計で、目の前に南国の真っ青な海が広がっていました。
NGトップのKachin CEOは創業者である父が 立ち上げたフルーツ工場をタイでも有数の工場に成長させた有能な経営者です。
話題はCovid-19の影響やウクライナ戦争、気候変動と様々なことに及びました。
NatGroupは主に米国を輸出先とし ており、日本ではFLだけがパイナップルの輸出先となっています。
互いに打ち解けていくうちに来シーズンのパイナップルの話になっていきました。
コロナ禍の中でもパイナップルの生育状況は豊作に近いということでした。あらゆることがマイナスの国際経済の中での朗報に安堵感が広がりまし た。しかし燃料費、海上運賃、スチール缶、梱包資材等軒並み値上がりしており、それは世界中同じですねと互いに苦笑いするしかありませんでした。
そして最後に来シーズンのパイナップルの価格を合意し長いランチミーティングを終えました。
町一つがNatGoupという広大な工場
翌日ホアヒン郊外のNaturalFruitsの工場を訪問しました。
町の中にNGの大きな工場が三箇所、パイナップル、アロエ、マンゴー、そしてジュースラインにそれぞれ数百人の作業員が働いています。
近年タイ人の給与が上昇し工場内作業はミャンマー人の出稼労働者が担っています。
二年半ぶりのタイ訪問、NGのトップと信頼関係を築くことができたことが何よりの成果でした。
しかし日本への帰国便に乗るためには、72時間以内の陰性証明が必要であり、バンコク市内のクリニックでPCR検査を受け 都合二日間足止めされることになりました。
by FruitsLife
| 2022-07-02 15:51
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