2022年 02月 05日
月刊フルーツライフ No.113(通算141) |
コロナ以前にはもう戻らない
昨年末コロナはこのまま終息するのではないかと誰もが期待を抱いたはずです。しかしその期待はオミクロン株の爆発的な拡大で脆くも打ち砕かれてしまいました。
コロナ禍によるビジネスの変化は、果たしてコロナだけが原因だったのでしょうか?
今世界中で、気候が大きく変わってきていることを誰もが実感しています。コロナパンデミックも、野生動物が何万年とひっそりと持っていたウイルスが、開発により野生動物の生息域を冒すことによって生まれた動物由来感染症であることがわかっています。つまり私たちは、コロナパンデミックを通して環境問題が喫緊の課題であり、優先順位の飛び抜けて高い問題であることに気付かされたわけです。
フードサプライチェーンの直面する課題
環境問題への対応が今後のビジネスの成長を決めることは明白です。その中でフードサプライチェーンには直面する三つの課題があります。
❶フードロス
誌面で毎月取り上げているフードロスには物理面と倫理面の二つの課題があります。
物理面の問題は、フードロスには製造・廃棄の両方に過大な環境負担がかかっているということです。食品分野は温室効果ガス排出量の三分の一を占め、食品廃棄は全温室効果ガスの8%に及んでいます。
倫理面の問題は、8億人を超える人々が飢餓線上に暮らしているにもかかわらず、食べることのできる食品を大量に廃棄していることです。
学校給食の安全神話
学校給食には食品事故を起こさないために厳しい安全基準が求められています。
その一方で日常生活の中では当然食べることのできるものを喫食不可として廃棄されている現実があります。
FLで今年に入ってから二回の「大量廃棄事件」がありました。
①輸入オレンジ表皮のくすみ事件
・地域は地方の県庁所在地小学校
・使用食数約5,000食
・喫食不可3校約500食
オレンジの表皮に黒っぽいくすみが散見、3校の校長先生が使用不可を決定、他の小学校は使用、食品事故・クレームなし。
メーカーとして果実内部に傷みはな く食中毒等の事故は考えられないため使用を強く求めるも喫食不可に。
廃棄を防ぐため即時に運送便を手配し、翌日愛知県の子ども食堂に届ける。
(子ども食堂、大喜びで食べる子どもたち)
②デザートオーブンの焦げ事件
・地域はFL近郊市保育園
・使用食数約500食
・喫食不可1園約100食
焼菓子に点のような焦げ、1園の園長先生が使用不可を決定、他の保育園は使用、食品事故・クレームなし。
メーカーとして焼菓子のため多少の焦げはあり得、食中毒等の事故は考えられないため使用を強く求めるも喫食不可に。
廃棄を防ぐため即時に自社便で回収、翌日FL代表が理事長を務める障がい者施設に届ける。
(障がい児施設の子どもたち大喜びでした)
つかう責任、つくる責任
SDGs12番目の目標は、食品・資源の無駄をなくし、食品ロスとごみの量を減らして持続可能な社会を目指すことです。
学校給食は、そろそろ環境問題と「つかう責任」を真剣に考え行動する時期に来ていると思います。中でも農産物である果物は色や形が不揃いなことは当然であり、食品事故が想定されないものは極力フードロスにならない姿勢が求められます。
❷フロン
温室効果ガス削減にもコストが問われています。国際環境NGOが削減量と費用対効果に基づいた百のランク付けを行いました。その結果効果第一位は冷媒、第三位に食品ロスが入りました。
冷媒はフードサプライチェーンには絶対に欠かせないものです。製造にも保管にも物流にも冷蔵・冷凍設備は欠かせません。私たちの豊かな食生活もすべて冷媒によって支えられています。
フロンはオゾン層破壊物質として1987年モントリオール議定書で生産中止になりました。そのためフロンに代わる代替フロンが使用されるようになりましたが、新たな問題が浮かび上がってきました。確かに代替フロンはオゾン層を破壊しないものの凄まじい温室効果ガスを排出する物質だったからです。
温暖化係数とは温暖化への寄与率をCO2を1とした場合の係数です。代替フロン/HFCにはCO2の数万倍の温室効果があります。その凄まじい温暖化への影響に比べ、回収・分離が容易なため効果において第一位の栄誉に輝いたのです。
今後数年内にフードサプライチェーンには、冷蔵・冷凍設備を代替フロンからアンモニア等の自然冷媒への切替圧力が高まってきます。食品企業にとっては巨額のコストのかかることですが、逃れることのできない課題であり責任です。
❸停滞する輸入
世界中で物流が停滞しています。米西海岸ロングビーチには沖合にコンテナ船が何十艘も並んでいます。コロナ禍でコンテナが不足、港湾労働者が集団感染、移民不足でカリフォルニアの収穫不能、運転手不足、高騰する海上運賃…あらゆる原因が重なり、上海でもムンバイでも世界中の国際貿易が停滞しています。
食糧の大半を輸入する日本は食品の値上がりだけではなく、オレンジが現在不足しているように食品そのものが不足する事態に直面しています。
いよいよ発売 ビーガンケーキ
三月からビーガンケーキを発売します。アレルギー対応デザートは少数者への特別な食品でしたがビーガンデザートは環境問題をクリアするために必要な食品です。時代は確実に変わっています。あんしんがとうは時代を先取りしてビーガンケーキを製造します。
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冷凍フルーツ生産開始!
夏の需要期に向け全力稼動中!
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FruitsLife co.,ltd
by FruitsLife
| 2022-02-05 15:32
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