月刊フルーツライフ No.112(通算140号) |

エッセンシャル&エンバイロメント
明けましておめでとう御座います。
二年に渡るコロナパンデミックが企業経営に突きつけたこと、それはリスクの分散とどんな時にも対応可能な創造力を内在しているかどうかということでした。そして今後企業にとって最も大きな圧力となってくるものが環境です。
E&E二つの事業を成長の柱に
FLは2022年をエッセンシャルと環境の二つの事業を成長の柱としていきます。
Eエッセンシャルは、コロナ禍でも着実に成長したメディカル事業です。
E環境は、メーカーとしての環境対応だけではなく、新たに環境をビジネスとして事業に取り入れていこうとするものです。


Essential
新たな老健向け事業はこれまで取引のなかった大手企業から数多くの引き合いがありました。
一つはコロナ禍で売上低下を余儀なくされ、FLメディカルフルーツの販売でビシネスを再構築していこうとする動きでした。
もう一つは既に老健・介護向け事業を運営している企業が、ロス管理の難しいフルーツ加工の委託をオファーするものでした。
前者はエッセンシャルであることが重要であり、後者はコロナ禍でも成長する介護事業のニーズに応え更に拡大したいというものでした。
今年はこうした引き合いを確実にフォローし拾い上げていくFLの営業力強化を図っていきます。
Environment
環境圧力は私たちが考えているより遥かに大きくなっています。
中でも食品は人が生きていく上で最も重要である一方で世界の温室効果ガス総排出量の30%を発生させ、更に一年間で廃棄される食品の温室効果ガスは総排出量の8%に及んでいます。


世界の人口は2050年に97億人に達すると予測されています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は気候変 動による干ばつ等で食糧生産が減少し、現在の農業システムでは増加する人口を支えきれないと警告しています。
地球の表面は70%が水で覆われ内98%は海水です。残り2%が淡水で、その淡水の70%は南極大陸等の氷です。残った僅かな淡水の内70%が農業生産に充てられ、水量は年々減少しています。
農地灌漑の末消失したアラル海、干上がった長江、国どうしの水紛争となっているナイル川、水の行方が戦争をも引き起こしています。

土壌の劣化が凄まじいスピードで進んでいます。国連の発表によると過去45年間で世界の耕作地の40%にあたる5.5億ヘクタールが失われ、毎年1000万ヘクタールの農地が喪失しています。
米農務省は気候変動の最大のリスクは食 システムの崩壊であり、2050年までに食品価格が倍増すると予測しています。とりわけインドからサハラ以南のアフリカに広がる乾燥地帯に暮らす20億人は深刻な飢餓に直面するとしています
温室効果ガス、人口増加、水不足、表土喪失…この現実を目の当たりにすると私たちの未来は正にディストピアです。しかし一方で米国や中国では新たなスタートアップが環境ビジネスを展開し始めています。
食品の環境負担をどう少なくするか
私たちが生き残る道は、テクノロジーとエコロジーを融合したイノベーションで環境と共生していくしかありません。しかもこれは未来の話ではなく目の前の明日の話です。

ソリューションの一つは肉食を大幅に減らすことです。
世界の食肉消費量は過去30年で倍増し、20年後には3倍になると言われています。食肉の土地・水・飼料の環境負荷は大きく、また肉食は心疾患・肥満など人の健康にも影響を与えています。因みに肉牛400キロの内食肉になるのは半分、残り200キロは廃棄となり費やした環境資源も同時に廃棄されます。
更に畜産から排出される温室効果ガスは総排出量の15%に及びEV化が進む自動車より多くなっています。
フードサプライチェーンの未来
野菜生産の革命が起きています。米最大の葉物野菜の垂直農業がNY近郊のビルの中にあります。殺虫剤不使用でLED光と僅かな水と肥料で、屋外の半分以下の生育時間で野菜を生産しています。
食品の内、最も廃棄される食品は野菜と果物です。しかも消費地は人口の集中する都市部が8割を占め、チルド輸送と長いサプライチェーンがCFP/Carbon Footprintを増やしています。都市近郊の屋内で野菜を生産することでCFPも廃棄も大幅に少なくすることができます。


フードロスに消費期限問題があります。
米食品医薬品局は消費期限を未規制としています。理由は米国で期限後の食品を食べたことによる食品事故が一例もなく、事故は汚染と不適切な保存が原因だからです。
消費期限を超えた食品を一律廃棄するフードサプライチェーンのあり方を再考するだけで食品廃棄を大幅に減らすことができます。
WWFは動的価格設定のシステム化を進めています。
スーパーなどの無駄な仕入れが廃棄原因のため、数千万世帯の買い物動向をデータ化し把握、需要と供給量を一致させフードロスを無くそうとしています。
企業はベネフィットです。廃棄価格を高くすることで企業収益に廃棄の影響を持たせます。
野菜と果物は廃棄の最も多い食品です。変色や鮮度を維持するために劣化原因となる酸素を排除する試みが米スタートアップで進んでいます。
①ブドウの皮の原料で作る被膜スプレイ
②酸素を吸収する包装フィルム
FLのアジェンダ
FLは3E(3の環境)を進めていきます。
1生産拠点を東日本と西日本の2工場にし生産のCFPを減らします。長いチルド輸送は、CO2排出と果物劣化を招きフードロスの原因となります。
2ガス置換で酸素を減らすと同時に衛生管理を徹底し消費期限を延長、食品廃棄を減らします。
3動物性タンパク質を使わないビーガンデザートを開発し、乳・卵の畜産原料を減らします。


更にメーカーとして時代にそぐわない学校給食の安全神話を環境に適した安全理念にチェンジしリードしていきます。
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・缶詰の軽微な凹みと消費期限の過度な期間要求
・果物の変色及び形状の過度な均一要求
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学校クリスマスケーキ50万食製造!
ありがとうございました。
コロナ第6波気をつけましょう。
今年もよろしくお願いいたします。
Fruits LifeCo.,Ltd
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