2021年 10月 16日
月刊フルーツライフ No.109(通算137号) |

月刊フルーツライフ No.109(通算137号)
◆四年越しの未来、新たに協働する新事業
四年前の秋、FLは山形に新工場建設の計画を立案しました。しかし建設資材不足、稼働率、従業員確保、物流、助成金…様々な要因から計画を一旦中止しました。
(計画した山形工場パース)
◇果物産地からのオファー
コロナ禍の中の今夏、工場建設計画以来、原料仕入でお世話になっていた(株)丸松青果から、加工工場建設に力を貸してほしいと依頼がありました。
丸松青果は山形県寒河江市の大手青果卸として様々な山形県産農産物を全国に卸しています。
昨今さくらんぼ、洋梨、りんご、スイカ、もも等山形県特産フルーツの通販事業にも力を入れています。
夏以降ズームによるミーティングを重ね、工場建設が可能かどうか協議を続けてきました。
そして去る10月初旬、FL代表が寒河江市の丸松青果本社を訪れ、社長をはじめ役員の方と面談すると共に、工場建設地を視察しました。
(寒河江市の丸松青果)
◇協働という提案
果物と言っても、生産者から青果市場、加工工場、スーパー等様々な業種を介して消費者に届きます。
その中で、丸松青果は産地と直結した果物卸であり、別会社の丸松農園では農業事業も手掛けています。
一方FLは果物を加工するメーカーです。果物の流通の中で生産者・卸売業者とメーカーが一体となることには大きなメリットがあります。更に山形県は全国でも有数の果物産地です。
FLが四年前に計画した山形工場建設計画は、そうした産地に近い場所で製造し販売するメリットを生かすためのものでした。
生産者+卸売業者+メーカー、果物が消費者の手に届くために残っている業種はあと一つ、販売業者です。
◇東北地方の人口減少
日本は凄まじい勢いで人口減少が進んでいます。中でも東北地方の人口減少は著しく、直近十年間で宮城県を除く東北5県は人口減少率で全国47都道府県中43番目から47番目、つまり下位を独占しています。
人口が十年で二割以上減少し労働人口が激減、その上高齢者の割合が四割に及ぶと、行政サービスをはじめすべての分野でサービスが立ちいかなくなっていきます。
鉄道も、病院も、バスも、役所ですら、すると自ら収益を上げなければならない銀行やスーパーやコンビニは撤退せざるを得なくなり、住民の生活そのものが脅かされ一層人口減少に拍車をかけることになります。
そうなれば負のスパイラルは、もう誰にも止められなくなります。
◇東北地方の再生
そうした中でFLの最も信頼する取引先が東北地方の再生に取り組もうとしています。
生産地とマーケットを一体として結びつけようとするFL&丸松GPが、東北再生プロジェクトに加わることができれば、企業としての競争力や収益のアップ以上に、東北という地域そのものの再生というよりパブリックな使命を持つ事業に加わることができるようになります。
◇追い風となる環境問題、有利に立つローカリズム
気候変動、食糧不足、地域紛争、そしてコロナパンデミック。こうした環境問題のすべては人間の際限なき経済活動の結果です。
そのため国連はSDGsを世界の目標に定め各国に履行を求めています。
東北地方で生産された農産物を産地で消費することなく東京や名古屋・大阪に運んで消費するには多くのフードマイレージを生み、Co2の排出増大に繋がります。
パリ協定やSDGsの環境圧力は、都市をよりコンパクトに、よりローカルなものに変えようとしています。
それぞれの地域で太陽光や風力や地熱という再生可能エネルギーを生み出し、地域で生産された農作物を地域で消費する。遥か海外で作られたものではなく、地元で作られたものを消費する仕組みを創造していくことです。
その一方でブランディングによって付加価値の付いたものを価格に転嫁しECを通じて全国に販売する。つまり地元では環境負担の少ない安価なものを提供し、都市部にはブランディングしたより高いものを提供する仕組みです。
◇ビジネスの転換点
今後過疎地では限界集落が多くなり、有人店舗でサービスを提供することが難しくなってきます。
ソリューションはECと移動販売です。そして行政との連携は必須です。例えば使用の簡単なECタブレットを無料配布するように、一定の税の拠出を求め住民の生活を守っていくことです。
食は人が生きる上で最も大切なものです。食品企業は業務の性質上定温車を保有しており、食品以外に日用品を移動販売車に乗せて販売することが可能です。
人口維持の可能な地域では店舗を活用し、限界集落に近い町村では行政と連携してよりコンパクトな商流を創造していくことです。
◇新たに生まれるビジネス
今後世界は環境に対応できるかどうかが問われてきます。
米マクドナルドはビヨンドミートと共同し代替肉のハンバーガーを発売します。
理由は牛肉の製造に大量の水や飼料を必要とし、牛のげっぷのメタンが温暖化に大きく寄与するためです。
今後食品企業が生き残るためには優先順位の第一が環境対応になってきました。
FLは丸松青果と協働し、果物を中心としたローカルビジネスを創造するとともにフルーツのブランディングを創り上げていきます。
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フルーツライフ株式会社
center@fruitslife.com
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by FruitsLife
| 2021-10-16 17:08
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