月刊フルーツライフNo.103(通算131号) |
月刊フルーツライフ No.103(通算131号)
◆環境に対応できない企業は淘汰される
世界中のコロナ感染は変異株の発生で更に拡大しています。新型コロナウィルスの出現は人間の経済活動への環境からの警告でした。
私たちは今、気候変動と生物多様性の喪失に直面しています。
コロナ禍がこの先終息したとしても、近い将来新たなパンデミックが起きる事は間違いありません。それを防ぐためには、私たちが環境に対応した生き方をしていくしかありません。この先環境対応できない企業は市場から退場を迫られ淘汰されていきます。今環境こそがビジネスとなってきました。
■FLにできること
SDGsは世界中の多くの人々に知られるようになりました。
掲げられた17の目標は人間がこの先、地球で暮らしていくために守らなければならない目標です。そしてFLは関係する左の5つの目標を掲げました。
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⑤ジェンダー平等の実現
⑧働きがいも経済成長も
⑨産業と技術革新の基盤を
⑩人や国の不平等をなくす
⑫つくる責任つかう責任
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⑤ジェンダー平等は数値で表す事ができ男女比が等しいと指数は1となります。
FLのジェンダーギャップGG指数は役員で1、管理的立場のリーダー職は全て女性です。今後の課題は意思決定に女性の意見を更に取り入れていく事です。
因みに日本のGG指数は、世界153ヶ国中121位、先進七か国では最低という悲観的な現実でした。
⑩FLには中国・フィリピン・ベトナム出身の人が働いています。労働条件、昇給のチャンスも平等です。
現に給食・デザート部門のサブリーダーはフィリピンと中国出身の女性です。
FLの社是は人権の尊重です。社内で決して許されない事は、人種・民族・国籍・性別を元にした差別です。
また人権の尊重はハラスメントの排除であり、その規範となるものは基本的人権であり法の支配です。
◆食品ロス
⑨日本における食品の廃棄量は、年間2,550万トンを超え、喫食可能で捨てられる食品は612万トンです。これが食品ロスの問題であり家計消費の1/4に及んでいます。
途上国では飢餓が深刻になっているにもかかわらず膨大な量の食品が毎日捨てられ、更に製造段階でCo2を大量に排出し地球温暖化の原因にもなっています。
現在FLのチルドフルーツは製造後4~5日の消費期限を設けています。消費期限を長くする事ができれば廃棄を減らす事ができます。
■消費期限を延ばす
FLでは現在チルドフルーツの消費期限を1.5倍から2倍に長くするプロジェクトに取り組んでいます。
劣化原因の酸素に代わり不活性ガスを充填するMAP包装技術を進めています。
■対象マーケットの拡大
⑧FLはコロナ禍の中でも成長を続けています。成長の柱になっている一つがメディカル事業です。
メディカル事業はエッセンシャル分野であり、コロナ禍が長引く中で全国から多くの引き合いがきています。
今大手介護グループからフルーツ提供の依頼がきています。しかし高齢者を対象にした施設は20~40人規模の施設で、現在FLが得意とする全国の基幹病院の食数とは一桁以上違います。
そこで消費期限を2倍近くする事で配送ロットを倍とし少人数の高齢者施設に対応可能な商品を開発しています。
また施設内でワンオペ可能なフルーツパッケージを作り人件費の抑制に寄与できるものを開発中です。
■プラスチック汚染
世界中で最も深刻になっているものはプラスチック汚染です。2016年の一年間で生産されたバージンプラステックは4億トンに上り、廃棄されるプラスチックは自然に還元されることなく環境に残されたままです。
◇海に集まるプラスチック
生産されたプラスチックが処理能力をはるかに超えたことで大量に廃棄され、雨に流され、風に飛ばされ、海へと運ばれていきます。
また漁網やロープ等海洋で発生するゴーストネットと言われるものが生体系に深刻な影響を及ぼしています。
◇永久に無くならない
さらに5ミリ以下の微細なマイクロプラスチックは半永久的に環境に残ります。
マイクロプラスチックは衣服や日用品の微細な粉が洗濯等の生活排水として海に流出し、車のタイヤの合成ゴム等が摩耗し環境に放出されます。こうしたマイクロプラスチックは人間や動物の体内に蓄積されていきます。
■サーキュラーエコノミー Circular Economy
⑫レジ袋の有料化が物議をかもしていますが、費用を消費者に負わせるのではなく製造レベルからプラスチックを減らしていくサーキュラーエコノミー(循環経済)が今世界のスタンダードとなりつつあります。
これまでの大量採取→大量生産→大量廃棄という直線経済を見直し、天然資源の投入を最小化し、製品を長く繰り返し活用して廃棄を最小化していく循環型経済の仕組みがサーキュラーエコノミーです。
◇三つの基本原則
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①設計で廃棄と汚染を排除
②製品と素材を使い続ける
③自然システムを再生する
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リユースとリサイクルに適さないものを製造しなくなれば廃棄は自ずから減少していきます。その責任をメーカーに負わせることで、そもそもの発生源が抑制されます。
これまで汚染の全ては環境が負担してきました。しかし環境がこれ以上耐えられなくなってきたのです。これからは人が作ったものは人が負担する仕組みを作り、必要でないものは生産しない、持続可能なものに替えていく、製品だけではなく初めから物流・回収・再利用まで含めた設計をします。
◇トレイの脱プラ化
FLは脱プラスチックを進めていきます。それが今後製品の競争力となり差別化に繋がっていきます。
FLは環境をビジネスのスタンダードとして具体的に提案します。今後のFLに期待して下さい。
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フルーツライフ株式会社
center@fruitslife.com
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