月刊フルーツライフNo.101 |
月刊フルーツライフ No.101(通算129号)
◆緊急事態宣言下、見えない出口…
昨年12月から第三波の感染が拡大する中、主要都市に緊急事態が宣言されました。
東アジアで唯一感染が抑えられていない国が日本です。台湾・ベトナム・タイでは感染は抑えられ、韓国でも日本とは一桁以上違う感染状況です。今では新型コロナウィルス発生源とされた中国よりも感染者数も死者数も多くなりました。
コロナ禍は危機の時こそリーダーの資質が問われる事を如実に現しました。アーダーン首相率いるNZでは感染は完全に抑えられ、昨年8月頃には人口比で日本以上に感染拡大の状況にあったオーストラリアでも感染は抑えられ、まもなく全豪オープンが開催されます。
無能なリーダーの下で苦しむのは国民です。それは全ての共同体に共通することであり、私たちに最も関わりの深い学校や会社にも同じ事が言えます。
コロナ感染が終息する気配は未だ見えません。国内の死亡者数は毎日100人余に及び、このままの状況が続けば年間3万人以上の人々が犠牲になります。
入院もできない、治療薬もない、何の術もない中、私たちが守らなければならないものは生命であり、日々の糧を得るための仕事です。
■企業に問われること
コロナ禍の中で私たちはどう対応していったら良いのでしょう。
①感染を前提とする
企業規模が100人を超す場合には、必ず社内で感染者が発生することを前提に対策を立てる必要があります。
②個人の責任としない
次に市中感染が拡まっている中では感染が個人の不注意や生活に所以するものではなく、つまり個人の責任にしない事です。個人の責任とすると無症状者が多い中では会社に報告することを躊躇して出勤する場合も考えられ、結果的に職場でクラスターが発生する事になります。
③情報公開を恐れない
感染者が出た場合の情報は一つに集約し、正確な情報をいち早く公開する事です。
会社が情報を出し渋れば、不確定な情報や憶測がライン等を通じてあっという間に社内に回ります。こうした曖昧で噂レベルの情報は不安を煽り、結果的に感染者のバッシングに繋がります。
一方情報が会社に集約されるためには会社への信頼が必要です。そのためには感染した従業員を会社が守るメッセージも含めて伝えなければなりません。具体的には雇用と共に食糧も含めた生活支援を行う事です。
④基本は人権と公正
こうした対策の基本なるものは人権と公正です。従業員一人一人が会社の運営に人権が尊重されていると感じる事ができれば協力が生まれ、公正であれば情報の提供に躊躇する事が無くなります。
■FLに起きた事
一月下旬の朝、午前8時にFL工場の従業員の子どもにコロナ陽性判明の連絡がありました。
直ちに役員会を開催し9時半には決定事項を社内に伝え、オペレーションが決定されました。
①正確な情報
この時点で当該従業員の陽性は未だ確定していません。しかし保健所から陽性の確立が高いと言われており、社内でこの情報をそのまま公開しました。
②疑似陽性者の現場
まず疑似陽性者と一緒に作業した従業員を確定し、その作業者とそれ以外の作業者の現場を一階と二階に分離しました。
③FL工場の特性
食品工場のため、常にマスクと手袋を着用、作業中は私語をしない、作業レイアウトにゆとりがある、更にマスクを外した食事中は話をしない。こうした特性から直ちに感染するとは考えていませんでした。
④代表からの説明会
とはいえ従業員の不安は大きく、二回にわたって各部署全員に代表から事実関係に基づく会社の方針の説明が行われました。
⑤社会的検査として
疑似陽性者とはいえ、FLは同一作業者全員のPCR検査をする事に決定しました。この決定が当日の11時頃でした。
⑥PCR検査
毎月検便を依頼している衛生会社にPCR検査を依頼し、翌日午前中にPCRキットが届き、直ちに検査し検体を送りました。
⑦検査結果
翌々日、疑似陽性者は保健所での検査の結果陰性が判明しました。しかし濃厚接触者であるため子どもの陰性確定後2週間出勤を控えるように指示しました。また社内での検査も全員陰性の判定結果が届きました。
■本来国がすべきもの
政府による「37.5度三日間」という根拠なき基準で検査を抑え、結果的に感染を拡大し医療崩壊の危機を招いています。都市部では陽性が判明しても入院できずに自宅待機、結果として家族全員の感染を招いています。
今では保健所は濃厚接触者の定義を厳しくし、マスクをしていたら濃厚接触にあたらないとしています。
NZや台湾だったら国を信頼してコロナ禍を耐え忍ぶ事もできますが、私たちには国を選ぶ事はできません。
FLは会社という共同体で生命と雇用を守るため最善を尽くしていきます。そしてその基になるものは人権の尊重と自由で公正な会社の運営です。力を合わせてコロナ禍を乗り越えましょう。
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フルーツライフ株式会社
center@fruitslife.com
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