月刊フルーツライフNo.96(通算124号) |
月刊フルーツライフ No.96(通算124号)
◆コロナ下の学校 簡易給食の課題に応える
学校の再開とともに給食が再開されましたが、コロナ下の学校給食には数々の制約があります。
配膳調理に人手が加わらないことが安全と推奨されているため給食自体が簡易化されています。
主食もおかずもデザートも可能な限り個包装されたものが要望されています。
そうしたなかで、美味しく、カロリーが高く、貧弱な給食が豪華になり、子どもたちが喜ぶフルーツの需要が高まりました。
一方で子どもたちの栄養摂取量が心配になっています。学校給食は子どもたちにとって正に健康の要です。格差が拡大する中で、所得格差が栄養格差に繋がる現状では、子どもの心身の成長に学校給食は大きな役割を果たしているからです。
■文科省の学校給食摂取基準
文科省によれば日本の子どもたちのエネルギー必要量は概ね満たしているようです。しかし一つひとつの栄養素の中では大きなバラつきが見られます。
エネルギーとなる炭水化物、脂質、たんぱく質のうち、いわゆる貧困基準以下の家庭では炭水化物の摂取量が多く、収入が増加するに従って動物性たんぱく質やビタミンなどの摂取が多くなります。
その結果、食事が炭水化物に偏った子どもは肥満になりやすく、成長に必要な動物性たんぱく質やビタミンが不足することになります。
成長期の子どもにとってバランスのとれた食事ができないことは、骨格や筋肉ばかりでなく脳の発達や将来の健康に影響が及ぶことになります。
■炭水化物・脂質の摂りすぎが生活習慣病の原因に
炭水化物・脂質の過剰摂取は、肥満を招き将来の生活習慣病の原因となります。
ナトリウム(食塩相当量)は基準を満たしていますが、むしろナトリウムの過剰摂取の健康への影響が心配されます。
カルシウムは学校給食では牛乳が必ず提供されているため不足する心配はありません。
■不足する鉄
鉄ははっきり不足しています。鉄は人の体内でどんな役割を果たしているのでしょう?
体内の鉄の70%が血液中の赤血球を作るヘモグロビンの成分となり、残りの25%は肝臓に蓄えられています。
ヘモグロビンは、呼吸で取り込んだ酸素に結合し、酸素を肺から体内の隅々まで運ぶ役割を果たしています。そのため鉄が不足すると鉄欠乏症貧血になる恐れがあり、身体のだるさや疲れの原因となります。
■児童一人一回当たりの鉄の摂取基準
7歳では2mg、9歳までは3mg、14歳までは4mgが学校給食の鉄の摂取基準です。
鉄はレバーをはじめ、魚貝や大豆、黄緑色野菜、海藻に多く含まれていますが、一般でも不足しがちな栄養で給食でもなかなか摂ることができません。
■不足するビタミン
ビタミンも不足しがちな栄養です。中でもビタミンA、B群が不足しています。
ビタミンAの主要な成分はレチノールといい、視力に重要な役割を果たしています。一方ビタミンB群は体内で糖質がエネルギーに変わるのを助け脳の働きに重要な役割をはたしています。
ビタミンAは油に溶けやすい脂溶性ビタミンでレバー、ウナギ、バター、卵等動物性食品に多く含まれています。
一方ビタミンB群はエネルギーを作るために欠かせない栄養で、フィレ肉やささみ等脂の少ない肉類に多く含まれています。
■摂取上限値を廃止
どんな栄養素であっても摂り過ぎは禁物です。そのため学校給食においては一日の摂取量の上限が決められています。
ところが摂取量の慢性的な不足からビタミンAについて文科省は上限値を廃止し、ビタミンB群についても一日当たりの摂取基準を大幅に引き上げました。つまりそれ程摂取することが難しいからです。
■簡易給食へのFLのソリューション
コロナ下の学校給食は簡素化されています。それは優先順位の一番が感染防御のためです。そのことは間違っていませんし、集団生活をしなければならない学校でクラスターが発生することは絶対に防がなければなりません。
そうした中で簡易給食を補うことができないかFLでは議論を深めてきました。
FLには管理栄養士・栄養士の専門職が複数在籍しています。その専門知識と学校給食で培ったノウハウからFLは新たな提案を決定しました。
■栄養補助食としてのデザート
FLは栄養管理された学校給食においても摂取することが難しい栄養素を焼き菓子として提案します。
美味しいお菓子である以前に必要な栄養を摂取するための食品として、いわば栄養補助食品の製造を開始します。もちろん乳・卵・小麦は使用していません。
まずは鉄分の豊富なココアを使用したFLのフォンダンショコラをベースに製造します。
■コロナの時代、斉しい試練
コロナの時代、誰もが予想しなかった困難を前にして、私たちはこの試練が世界中の全ての人々、全ての企業に同じように課せられている事に気がつかなければなりません。
この試練を乗り越えるためには一層の努力と能力が問われます。それこそがエスタブリッシュメントではない私たちのチャンスであると思っています。
FLは試練こそが、しかも誰にも斉しく課せられた試練であるからこそ成長するチャンスが生まれると確信しています。今こそ私たちが新たな時代の主体になるチャンスです。
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フルーツライフ株式会社
center@fruitslife.com
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