月刊フルーツライフNo.91(通算119号) |
月刊フルーツライフ No.91(通算119号)
◆緊急事態宣言発令
私たちは生き残ることができるのか・・・
丁度去年の今頃、世の中は十連休に湧いていた。希望に満ちた春、桜吹雪が祝うように街に舞っていた。
そして今年、季節は巡り、春は同じように訪れて街には桜吹雪が舞っている。しかし私たちの心は重く暗く不安に慄いている。
去る4月7日政府は緊急事態宣言を発令しました。
政府の新型コロナ対策の遅すぎる対応が全国に感染を拡げ、PCR検査を避けてきた結果、感染者の数は把握できなくなっています。正に日本はパンデミックの渦中にあります。
■守るべきもの
2月28日の政府による全国学校一斉休校の指示以来、FLの工場生産は半減しました。緊急事態宣言の発令は、さらにこの試練が続くことを示しています。
しかしこの試練はFLだけに限られたものではなく、どの業種も、どの地域も、それは世界中の誰もが逃れることのできない試練です。
■会社を存続させるそれが雇用を守る
FLが第一に守るべきものは会社を存続させることです。そのことが雇用を守り、働く仲間の暮らしを守ることに繋がります。
会社が破綻すれば従業員は働く場所を失います。雇用情勢が一気に厳しくなってきている状況では生活そのものが脅かされます。
生活費、住宅ローン、子どもたちの教育費、毎月必ず必要なお金は働く場所があってこそ手にすることができるものです。
■企業の必要経費
売り上げが半減し、企業によっては店舗の閉鎖が余儀なくされ、先の見通しがつかないなか、経営者は何をなすべきでしょうか?
企業には毎月必ず必要な販売及び一般管理費があります。販管費は人件費、光熱費、減価償却費、租税公課、福利厚生費等、売上のある無しに係わらず必要なものです。会社が存続していくためにはこうした販管費に加え、さらに金融機関への返済が必要となります。
■危機対応マネジメント
今回の新型コロナ危機はこれまでの経験がほとんど役に立ちません。敵は人類が経験したことのないウィルスであり、治療薬もなく、終わりも見えません。しかも地球規模です。
こうしたなかで経営者のなすべきことは持ちうるあらゆるチャンネルを通して手持ち資金を持つことです。
終わりのない未知のウィルスとの消耗戦に勝ち残るためには、手持ち資金をどれだけ持っているかに企業の存亡がかかっています。
現にトヨタは一兆円、日産は五千億円、ANAは五千億円超の借り入れを始めました。中小企業である私たちにどれだけの資金を手元に持ちうるのかはわかりませんが、経営者は自らの命を懸けて資金繰りに立ち向かっていかなければなりません。
■可能な仕事を行っていく
仕事量が半減する状況では、今ある仕事をシェアし、従業員間で痛みを公平に分かち合っていくことが必要です。そして必要経費を可能な限り減らし、今ある仕事を効率的にこなしていくことです。
◆世界中誰にとっても逃げ場はない
新型コロナウィルス(COVID-19)はパンデミックとなり世界中の誰であっても最早逃げ場はありません。
原因は圧倒的に増加した人口と経済活動の結果です。地球の原生自然のなかには未知のウィルスが野生動物を宿主として存在しています。そうしたウィルスが開発により人に感染した一つが新型コロナウィルスです。
エイズは、西アフリカのチンパンジーのなかでひっそりと生きていた太古のウィルスです。そのウィルスが開発により人に感染し世界中に拡がりました。
またこうしたウィルスはレトロウィルスと言い遺伝情報の伝達をRNAで行っています。RNAは進化の過程でより正確に遺伝情報をコピーできるDNAに進化していきました。エイズや新型コロナウィルスは太古のレトロウィルスでありRNAによってコピーされるため遺伝情報が都度変わり特効薬となる薬を作ることを妨げています。
■誰にでも斉しいこと
新型コロナウィルスは地球規模の災厄です。原因は人口爆発とそれによる開発です。同じことは原因が人による経済活動の結果である地球温暖化にも当てはまります。しかし地球温暖化と新型コロナウィルスでは大きな違いがあります。それは新型コロナウィルスがある意味民主的で平等な災厄だからです。
■富者も貧者も災いから逃れられない
地球規模と言いながら地球温暖化の被害は先進国よりも途上国に、そして富める者より貧しき者に苛烈な影響を及ぼしています。
一方新型コロナウィルスは先進国であろうが富者であろうが逃れることはできません。人であれば斉しく降りかかってくる災いです。このことは結果的に国と人の階層的区別を超えて世界的な連帯と対策に至る可能性があります。
■危機の後にくる未来
新型コロナウィルスの危機は、政治でも、経済でも、戦争でも、民族紛争でも、宗教対立でもありません。しかも世界中に斉しく襲っている災厄です。
社会が劇的に変わるのはこうした時です。しかも原因はウィルスであり、コロナ危機が終息した時世界が劇的に変わっている可能性があります。
2002年に中国でサーズ(SAES)が大流行しました。広東省を中心に8百人余りが犠牲となりました。しかしサーズの終息後中国ではデジタル化が一気に進み、ジャック・マーがアリババを創り出しました。サーズを機に中国の産業構造はバイドゥを始めインターネットの世界にシフトチェンジすることができたのです。
パラダイムチェンジは平時には起こりません。非常で困難な時代にこそ新たなものが生まれ、一方で過去のものは淘汰され歴史から退場していきます。
■歴史の真ん中に生きる
今私たちはかつて人類が経験したことのないような時代に生きています。それは歴史の一ページに大きく記される地球規模の歴史的なページです。
地球の歴史は淘汰の歴史です。アメリカのヨセミテ国立公園では夏に毎年起きる山火事を消すことはしません。自然に消えるのを待っています。広大な森林が焼失する一方で、焼け野原となった土地に異なる植生が広がり新たな生命が生まれます。
私たちもこの未知のウィルスとの闘いに勝利した後に新しい世界が待っているように思います。そのためには新たな時代をチャンスとしてとらえ前に向かって歩いていかなければなりません。
そして新たな時代を目にするためには何よりも生き延びることが重要です。
私たちは今歴史のど真ん中に生きているのです。
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フルーツライフ株式会社
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