月刊フルーツライフNo.84(通算112号) |
月刊フルーツライフ No.84(通算112号)
◆7期決算目前、私たちはどう変わったのか?
FLの決算期は9月、そろそろ決算の数字も固まってきた頃です。
日本経済は政府がどのように喧伝したとしても好景気の実感は湧いてきません。相変わらず消費の力は弱く、来月には消費税が増税され、人口減少と高齢化は着実に進んでいます。
大企業は国内での成長を諦めアジアを始めインターナショナルなマーケットに力を注いでいます。そうであるとするのなら私たち中小企業はどこに成長の活路を見出して行けばいいのでしょう。
企業はどんな理想を掲げたところで、結局は利益をどれだけ生み出すことができるのかの一点に掛かっています。
■新たな事業の創造
目標に掲げた前年比120%を達成するためにはこれまで行ってきた事業だけでは決して達成することはできません。
FLは今期新たな事業として二つの事業を始めました。
冷凍みかん
冷凍みかんは学校給食の定番中の定番です。
製造はみかんをそのまま冷凍するだけの極めてシンプルなものです。しかし近年ではみかんの不足が続き、より品質の良い原料をどう集めるかが大きな課題となっていました。
またみかんの収穫が12月から1月、販売が6月から7月となり、支払いから入金まで資金が10カ月近く眠ることになります。
一方で冷凍みかんの需要は底堅く、逆に製造メーカーは減少していました。そこでFLは㈳日本冷凍食品協会の認定の下で冷凍みかんの製造に着手しました。
昨年秋から何度も産地熊本を訪れ、果樹園でみかんの生育を確認し、製造工程の打ち合わせを繰り返しました。そして今年の製造は初年度ということもあり35万個製造販売し、殆どクレームもなく終了することができました。
■学校給食チルド・冷凍売上の推移
左表は横に月、縦に決算期、上段三期が給食チルド、下段三期が給食冷凍、塗りつぶした月が直近三期間で一番売上の多い月を表しています。
三期間通して見ると学校給食の売上は漸減しています。またチルド製品に関しては三期前が一番売上が多くなり以降下がり続けています。
FLはチルド製品に関して近年価格を上げています。これはチルド製品は仕入原価と製造歩留りが不安定な上、人件費比率が高く、赤字傾向が強くなっており政策的に抑制しているためです。
一方冷凍製品は比較的今期の売上が上位を占めています。
■メディカル成長事業の強化
病院事業は今期も120%以上の伸びを示しています。
営業的にも大手給食委託企業との連携もより密になり、全国の中核病院の採用が毎月のように増えています。
5年前に始めた病院事業は、現在も競合メーカーは存在せずFLのアドバンテージはより高くなっています。
経営的にも長期間の休みの多い学校給食に比べ、コンスタントな売上の見込める病院日配事業は経営の安定に繋がっています。
■あんしんがとうデザート
全国のイオンで販売を始めたのが5期目の9月からです。さすがイオンの販売力、デザート部門は一気にFLの中心事業となりました。
2期に渡る製造で分かったことは、これまでFLが行ってきた事業と、一般消費者を対象にした事業では全く異なるということでした。
第一に、一つひとつの商品管理の厳格化、一般消費者のクレームに対しての対応と準備への時間の多さです。
特にアレルギー対応のあんしんがとうのデザートは、一たび食品事故が起きれば重大な結果を招きかねず販売するイオンも注意を緩めていません。
第二に、消費者は新しいものに直ぐに反応し、新商品は確実に売上げが伸びるということです。逆に新製品を出さないと売上げが落ちていくことになります。
学校や病院ではあり得ない商品の改廃スピードを要求され、開発に多くの時間が要するようになりました。つまり消費が増えない現状で売上を伸ばすためにはイオンと雖もメーカーは弛まぬ努力をし続けていかなければならないということです。
■困難よりも希望の見えた一年
決算までまだひと月ありますが、今期はFLの先に広がる未来の扉が見えたように感じています。
今期の総括を冷静に客観的に行い、次の飛躍に向けてFLは進んで行きます。
未来の扉は私たちが開けるのを待っています。
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フルーツライフ株式会社
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