月刊フルーツライフNo.82(通算110号) |
月刊フルーツライフ No.82(通算110号)
◆分り始めた複数の原因 進むアレルギー研究
食物アレルギー発症の研究が日々進んでいます。
今号では、アレルギー対応デザートのトップブランドあんしんがとうが共有する最新の情報を読者の皆さんにお伝えします。
■食べ物と運動
乳・卵・小麦などを食べて学校でアレルギー症状を発症する子どもたちは、14~16年の三年間で年間平均1,668件です。このうち運動が原因で食物アレルギーが発症した件数は155件です。
(JSC日本スポーツ振興センターの学校事故データより)
■食物依存性運動誘発アナフィラキシー
食後の運動で発症するアレルギーを食物依存性運動誘発アナフィラキシーと言います。
学校現場では給食で食べたパン等の小麦が原因で、昼休みのサッカーや5時限目の体育の時間に激しいアレルギー症状が現れたことが報告されています。
運動誘発は、普段アレルギー症状のない子どもに発症することで、本人も学校も突然の症状に驚き処置が遅れることがあります。
■運動誘発の症状
運動誘発のアレルギー症状は、蕁麻疹などの皮膚症状が全例に見られ、呼吸困難が7割、血圧・意識低下などのショック症状が5割、時に命にかかわる場合があります。
原因食材は小麦がほとんどで、次に甲殻類、意外なことに果物が原因食材になっていることがあります。
また運動誘発は男子の方が多く見られます。これは男女の運動量の違いが影響しているのではないかと言われています。
運動誘発のアレルギーは、原因食材を突き止めることと、食後の運動に注意することです。
子どもたちは昼休みに校庭でサッカーなどをすることを楽しみにしています。体育の時間も子どもたちの好きな時間です。
いずれにしても子どもたちの生活の質QOLを落とさないよう授業のカリキュラムを考える必要があります。
■以外に多い果物によるアレルギー症状
桃やパインやキウイを食べて、口の中がひりひりしたり、いがいがするという人は意外に多くいます。これも食物アレルギーの一つで果物アレルギーと言われています。
最近の研究で花粉症と果物アレルギーの関連が分かってきました。
■花粉症と食物アレルギー
花粉症の人が果物を食べると、口の中に違和感やかゆみを感ずることがあります。
これは花粉-食物アレルギーと言われ、花粉に反応するたんぱく質と類似のたんぱく質が果物に含まれているためです。
シラカバやハンノキの花粉に反応する人は、リンゴやモモ、イチゴといったバラ科の果物にアレルギー症状が出る傾向にあります。
ただ果物によるアレルギー症状は比較的軽い場合が多く、重篤なショックになる場合は果物単体では殆どないと言われています。
■家庭では果物を食べなくなった…
最近では家庭で果物を食べることが殆どなくなってしまいました。果物を家庭で食べない理由は
①果物の価格が高い
②包丁の手間が面倒
主食でないフルーツは家計に余裕がない場合どうしても手が伸びなくなってしまいます。
またスーパー・コンビニなどで直ぐに食べられる食品が並ぶようになり、お母さんが忙しいこともあって、果物に包丁を入れることを面倒に思うようになってしまいました。
■食育という考え方
家庭で果物を食べなくなると、子どもたちは果物の種類も、味も、旬な時期も知らずに育つことになります。
食育という考え方も給食を教育の一環として捉えていることの表われです。
6月に東京都大田区で給食に出されたビワで30人の子どもがかゆみを訴え、うち11人が病院に搬送されました。ビワによる果物アレルギーです。
こうしたことが一度起きると学校給食では、その食材を一切使用しなくなります。しかしビワは今では殆ど食べる機会のない果物です。学校給食でアレルギー対応に注意を払いながら、旬な果物を子どもたちに食べてもらうことで将来の豊かな食生活を創造していくことができると思います。
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◆夏の繁忙期に突入
6月に入り学校給食の冷凍フルーツの生産がピークを迎えています。
パイン・黄桃・洋梨はいずれも海外の産地のもので、近年の気候変動による温暖化の影響が顕著に表れています。
南アフリカを産地とする黄桃・洋梨は、二年続く大旱魃の影響で品質の劣化が激しく、価格の高騰が続いています。またタイ・フィリピンを産地とするパインは大雨が続き農家が収穫を放棄するなど夏のクロップが激減しています。
国内では運送会社の人出不足により、配送手配がますます厳しくなっており、場合によっては集荷・配送が断られることがあります。
厳しい状況下の繁忙期ですが、FLは全社一丸となって頑張っていきます。
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フルーツライフ株式会社
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