月刊 Fruits Life No.42 |
月刊フルーツライフ No42(通算70号)
◆年度末の超繁忙期 生産計画完遂!
一年で最も忙しい年度末を、工場の力を結集して生産計画通りほぼ終える事が出来ました。
昨年の年度末は、生産キャパが完全にオーバーし、連日深夜まで生産が及び、会社全体が疲弊する事になりました。
今年はそうした昨年を総括して、綿密な生産計画と、適正な人員配置で、定時プラス1時間を目標に掲げて年度末に突入しました。
■前年同月比 120%達成!
1月中旬から始まった年度末の受注は、学校給食部門で前年比120%(3/10現在)に上っています。
全国からオーダーが集中し、中でも地元の名古屋市(全小学校/13万食)をFL一社で請負う事になり、メーカーとしての責任もより大きくなりました。
□原料□
■管理容易なリンゴ
2月は全国どこの学校でもリンゴを献立に使用する事が多くなります。
リンゴは原料自体が貯蔵品(15年産)であり、安定して仕入をする事が可能です。
FLでは、毎週青森から産直の大型トラックがリンゴを満載して運んできます。そのため余裕を持って原料管理をする事が出来、生産計画を容易に立てることが出来ました。
■難しいイチゴの生産
一方この時期にはイチゴのオーダーが多くなってきます。
イチゴはリンゴと違って貯蔵が全く効きません。一日長く置けば、傷みが進行し、歩留まりも悪くなります。そのためイチゴの原料手配は、採れたてのイチゴをどれだけ集める事が出来るかにかかってきます。
暖冬だった今年も、2月に入り大きな寒波がやってきました。気温が急に低くなり、イチゴの収穫がほとんどゼロとなり原料入荷が困難となりました。
■原料タイトなパイン
学校給食の定番フルーツであるパインは世界中で品薄になっています。
温暖化による世界的な農業生産の不安定化、さらに為替リスクなど、輸入原料は益々安定した確保が困難になりつつあります。
今年度末もパインの受注は多く、FLでは3W以上のリードタイムを要望する事で原料確保に努めました。
■農家減少の柑橘類
冬の時期は柑橘類の出荷時期です。しかし年々農業人口が減少し、柑橘類の生産数も減少傾向にあります。この年度末は例年に比べて産地での収穫終了が早く、品目によっては原料確保が厳しくなりました。
今後TPPの影響が、かつてオレンジ自由化で壊滅した国産オレンジのようにならないことを祈るばかりです。
□人員□
■派遣会社の活用
FLはこれまで雇用関係を複雑にする派遣会社との契約は締結してきませんでした。しかし求人難は深刻で派遣会社でしか人員を確保する事できず、現在十人余りの派遣従業員を使っています。
しかし熟練度が要求される工場作業では即戦力としての活用は難しく、昨年より今年度末に合わせて派遣従業員の作業習熟を高めてきました。
この年度末は、作業習熟した派遣従業員を現場に適正に配置する事で生産効率を高める事ができました。
□部門連係□
FL工場には、①学校給食、②医療、③デザート、の三部門があります。
いずれの部門も人手不足は深刻で生産が厳しくなっています。
現在FLでは、短時間でも人手に余裕が出来た時は、その都度他セクションに人員を回すようにしています。さらに派遣従業員をフレキシブルに活用し現場の負担を少しでも軽減できるように、部門連係を高めて生産効率を上げてきました。
こうした管理側の綿密な生産計画と、従業員のモチベーションの高さが一体となり、厳しい年度末を計画通り終える事ができました。
FLは今年度末の経験を踏まえ、更なる生産効率化を目指していきます。
そしてその効率化が従業員の労働軽減に繋がり、引いてはそれが利益に繋がるように努力していきます。
◆伸長著しいメディカル部門
■前年同月比190%達成!
昨年から急激な伸びを達成しているメディカル部門は、前年比2倍近い伸び率を記録しました。
何よりもこれは4年前のメディカル事業立ち上げの方針の正しさを証明しています。
■2012年に目指した事
4年前二つのキーワード(月刊23号/12.4.15発行)を策定しました。
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人間らしい生活
身体が不自由になり、介護が必要となったとしても、生きている限り「人間らしい生活」を送ることができなければなりません。
自分らしい暮らし
自宅にいても、施設に入所していても、生きている限り誰もが「自分らしい暮らし」をつづけたいと思っています。
そしてQOL(生活の質の向上)は介護を必要とする人や、病床に伏した人にこそ必要とされると考え、この二つのキーワードを策定しました。
■人間性の尊重
メディカル事業は、新年に制定したFL憲法の「人間性の尊重」の精神が基になっています。
■ユニバーサルデザイン
FL憲法で「ユニバーサルデザインの開発」を掲げました。そこで4月より包装フィルムをユニバーサルデザインに新しくします。
■誰にでも開け易く
従来の包装フィルムはギザギザのカット面から開封していましたが、時に力が必要な事があり、高齢者や障がい者には開け辛い事がありました。
FLでは、昨年より「誰もが容易に開ける事のできるフィルム」をメーカーと共同開発してきました。
包装フィルムは二層(OPとPE)となっており、表面のOP面に見えないほどの小さな穴を開け、誰にでも、どこからでも開封できるフィルムを作りました。
4月から、まずはメディカル事業の個包装フィルムから始めます。
■"あんしんがとう"2CSで販売開始!
アレルギー対応デザート専門工場”あんしんがとう”のデザートが3月より「1号館」と「マックスバリュー」の二つのスーパーチェーンで販売を開始しました。
商品は、フルーツムースとフルーツケーキ。
食物アレルギーでデザートを食べる事の出来なかった子どもたちの声に応え、スーパーバイヤーにアレルギーデザート 販売の意義を理解してもらい、販売開始にこぎつけました。