月刊フルーツライフ No.138 |
進み始めた新事業 フルーツと私
昨秋から本格的に営業を始めたホテル向け新事業フルーツと私が急速に進展を見せています。
ヒルトン名古屋に続き
ゲートタワーホテル、名古屋観光ホテル納入決定
イタリア人画家Gabriele Cocciaの抽象画を表紙に使ったフルーツと私を、名古屋市内のブランドホテルに送付したところ直ちに商談、成約となりました。
ヒルトンHはワールドワイドのトップブランド、ゲートタワーHはJR直系ホテル、名古屋観光Hは天皇御用達の名門ホテルです。
商談ではどのホテル担当者からも
「こうしたメーカーがあったのか…」と驚きの声を聞き、詳細説明し価格表を提示しても価格交渉にはなりませんでした。早速契約書の作成、納品スケジュールの打ち合わせとなりました。
ホテル・観光業の現状
ホテル・観光産業は景況感が大きく上向く一方で深刻な人手不足に直面しています。
コロナ後一気に回復した観光客に対応できず稼働率を落として調整しているのが現実です。
従業員一人ひとりの仕事量は増えサービスは低下し、商談の中で管理担当者は
「現場は疲弊し、退職者も出ている危機的状況です」とため息を漏らしていました。
あるホテルの朝食ビュッフェのフルーツコーナーでは、午前4時にカット担当のパート従業員を3人充てるも早朝3人の手配ができず、結果的にシェフにカットさせていることも間々あるとのことでした。パート従業員の早朝時給は2000円を超えているとしても、本来の仕事をせずにシェフがフルーツをカットしていたら一体どれだけの時給になり、ホテルのサービスの損失になるかということです。
こうした現状は、内閣府が毎月発表する景気動向指数DIでも如実に表れ、ホテル・観光は全産業に対して最も高いDI指数の伸びとなる一方、人手不足はより深刻度を増しています。
問われる環境対応
フルーツと私の提案の中で「フードロス削減・プラスチック不使用・紙材FSC認証」等の環境対応が高く評価されました。
世界基準のホテルでは、コットン用品のGOTS認証、プラスチック不使用、Rain Forest Alliance認証珈琲豆使用等を推進しており、納入業者にも環境対策が求められるようになってきています。
押し寄せる海外資本 IHGホテル&リゾーツ
1ドル/150円が基本為替レートとなるにつれ円安による海外観光客の増加が顕著になっています。
ブランドホテルの朝食バイキングは5000前後の設定です。当然朝食の充実が要求され、中でも朝食には新鮮なフルーツを欠かすことはできません。
円安による割安感と、上質なサービス、清潔で安全な社会が、日本への海外観光客を急増させています。それに伴い海外の大手資本が一気に日本のマーケットに照準を合わせ始めました。
英国のインターコンチネンタルホテルグループ/IHGホテル&リゾーツは日本国内のホテルを数年で現在の倍の100ホテルにするとしています。
IHGは。最高級のシックスセンシズを始め、インターコンチネンタル・リージェント・ホリデイイン・ガーナーなどのブランドを持つ巨大ホテルグループです。
日本国内ではシックスセンシズ京都(一泊20万円から青天井)を4月に開業するとともに、中級ブランドのガーナー大阪の年内開業を予定しています。
日本のホテルで起きていること
海外観光客にとって1ドル/150円のレートは、ほぼ日本のサービスがコロナ以前の50%オフになっていることになります。
かつて日本円が80円/1ドルの頃、日本企業がNYの摩天楼をこぞって買い漁りました。逆のことが今の日本で起こっています。欧米中の企業にとって日本は非常に安く、観光客にとっても魅力に満ちた国になっています。
つまり、欧米中の大資本が、来日する海外観光客相手に、世界的にも安価な労働力としての日本人を雇用し、より高い利潤を上げようとしているわけです。現実にIHGのような海外巨大資本が、ホテルマンに倍の年収を提示する苛烈なハンティングを行っています。
20年程前、バンコクに行けば一流のホテル、極上のサービスが日本の1/3程の価格で利用することができました。
朝目覚めれば、タイ人従業員が庭を掃き清め、プールの落ち葉を掬い、ラウンジにはエキゾチックな美味しい朝食が並んでいました。
当時日本人は、あたかもマルグリット・デュラスの「インドシナ」に描かれたコロニアルな宗主国の人間のように振る舞うことができました。ところが20年後、私たちは欧米中の観光客に安価で上質なサービスを提供する側になってしまいました。ことの良し悪しはともかくとして、それが現実であることだけは確かなことです。
観光立国北海道に
去る2月末フルーツと私のプレゼンテーションにFLホテルチームが、大槻食材(株)札幌店を訪問しました。
セールスマネージャーとホテル担当が大槻食材勉強会の席 でプレゼンテーションを行いました。
北海道は農業・酪農を中心にした一次産業地域と思われがちですが、観光が道のGDPの8%を占め、金融・保険及び農業分野を凌ぐ道内最大規模の産業分野となっています。
コロナ後、海外観光客が押し寄せ次々にホテルが建設されています。中でもニセコ地域はヒルトンニセコ、リッツカールトンニセコ、雪ニセコ、ニセコノーザンリゾート等、大手ホテルが林立した国際リゾートエリアに 変貌し、夏冬のシーズンを問わず一年を通して活況を呈しています。
一方人手不足は、元々人口の少ないリゾート地域は一層深刻でフルーツと私の広がりが期待できます。
そして何より北海道地域のJFSA会員の中心企業である大槻食材(株)とFLが協働できることは、これまで北海道地域への関わりが希薄だったFLにとって大きな一歩であることは間違いありません。
ヒルトン福岡シーホーク、長崎ハウステンボス商談に
北海道から遠く離れた九州が世界の注目を集めています。
TSMCの熊本工場稼働は、世界から遅れをとる日本の半導体を復活させる国策事業です。更にSONYの工場新設と続き経済効果は計り知れません。
TSMCの操業により従業員・家族等多くの海外の人々の来熊が予想され、一躍ハウステンボスリゾートが注目されています。
また福岡では天神ビックバンと言われる巨大開発が進み、ヒルトン最大の福岡シーホーク(客室数1052室)があります。
時代は新たなビジネスを生み、挑戦は新しい扉を開きます。FLは時代に応えるビジネスを創造します。