月刊フルーツライフ No.116(通算144) |
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2022年 05月 03日
月刊フルーツライフ No.116 急激な円安困難な原料調達 高騰する食品 コロナ禍に加えウクライナで戦争が始まり、円安が急激に進んでいます。 日本は食料のほとんどを海外からの輸入に頼っており、想定をはるかに超える円安は直ちに食品価格に反映されます。FLも食品メーカーとして対応を迫られています。 円安は日常生活にも影響が出始め、エネルギー・ガソリン等の値上げで物価高騰が心配されます。コロナの収束が見えいない中、食品を始めとした生活用品の値上げは一層景気の先行きを危うくしています。 為替リスクをヘッジできない FLは年間およそ100万USDの貿易事業を行なっています。 今年初めの時点で為替レートを110円/USDで原価計算していました。ところがウクライナで戦争が勃発するや、いきなり130円を超え更に円安が進む勢いです。しかも円はドルに対してだけではなく、ユーロや人民元に対しても安くなっており円独歩安の様相を呈しています。 原因の一つに米FRBの利上げがあるとはいえ、結局は日本のファンダメンタルそのものの低下が一番の要因と思われます。 FLでは、これまでクーポンスワップ(円⇄ドルを固定レートで交換する仕組)で為替リスクをヘッジしてきました。しかし想定を超える急激な円安でクーポンスワップそのものが効かなくなっています。 為替変動で製品価格そのものが直接上下するわけではありません。円安によりドル建てで行う輸入品の価格が上昇し、逆に輸出品は価格が下がることで競争力が増すことになります。これはアベノミクス全盛の時と全く同じ構図です。 トヨタを始めとした輸出企業にとって円安による利益は、血の滲むような努力で利益を生み出さなくとも小手先の金融政策や為替操作で利益を生む安易な構図を作り出してしまいました。結局現在の円安は日本のファンダメンタルを客観的に評価された現実であり、円安が一時的なことではなく、奇しくもコロナと戦争が日本経済の深刻な現状を表面化させたわけです。 急激な円安を前に、コロナさえなければインバウンドのチャンスと言われることがあります。 しかし中国を始め外国人観光客にとって安価に提供される上質なホスピタリティーと安い商品が訪日理由でした。 つまり円安インバウンドは「蛸は身を食う」という諺通り、今は良くてもやがて自分の命まで食べてしまうことになりかねません。 現にソウルや上海に行ってみると、十年前に比べて全てのものが高くなっていることを実感します。実は高くなっているのではなく円の価値が下がっているためです。 日本は革新的なイノベーションと経済のパラダイムチェンジを決断しない限り、先進国から脱落することが現実味を帯びてきています。 封鎖された上海 徹底したゼロコロナ政策にもかか わらず感染が急拡大した上海がロックダウンされ一ヶ月が経ちました。 人口2,600万人、中国経済の中心都市上海が封鎖されたことで世界経済に大きな影響が出ています。 上海港は東アジアのハブ港であり、日本に輸入されるほとんどのコンテナ船は上海を経由しています。上海港が封鎖されたことで、アジア・インド・アフリカ・ヨーロッパ・中南米からの船が寄港できず、隣の寧波に押し寄せています。そのためFLのタイ・コスタリカからのパイナップル、ギリシアからの黄桃も大幅に入船が遅れています。 これも日本がインフラ投資を怠り国際的ハブ港を作ってこなかったツケが今になって回ってきていることを示しています。 大洪水に見舞われた南アフリカ・ダーバン 4月中旬、南アフリカ東部一帯を記録的な大雨が襲いました。大規模な土砂崩れや洪水が発生し、南アフリカ政府はインフラなどに数十億ランドの被害が出たと発表しました。 南アフリカ最大の貿易都市ダーバンが冠水し、現在も港湾機能が失われています。更に長引くコロナ禍で各地で暴動が発生しています。加えてウクライナで戦争が勃発し、南ア産の洋梨・黄桃・アプリコットは出荷が止まったままとなっています。 困難な時だからこそ供給を絶やさない コロナ・戦争・気候変動、次々と困難が襲ってきます。どれも一企業が解決できる問題ではありません。 長引くコロナ禍で身を削って営業活動を行なっているJFSA会員やNB顧客の得た貴重なビジネスチャンスを逃すことなく商品を供給し続けること、それがメーカーとしての責任です。安定した商品供給こそが日頃の取引に対する感謝の証と思っています。 FLは既に今夏の冷凍フルーツ原料を確保しています。 昨年春の花付きの時期に北半球全域を襲った霜害で温帯地域の桃が壊滅状態になりました。 長引くコロナ禍、勃発した戦争、追い討ちをかけるような円安、ただでさえ滞っている世界貿易の見通しが全くつかなくなっています。そして市場では食品が上がり始めました。 学校給食も食材の高騰で予算不足になり始めました。削られ始めたのはフルーツやデザートの献立です。予算が不足するや直ちに給食献立削減に及ぶ市町村の学校給食に対する理念のなさには呆れますが、そうした市町村が少なくないことも現実です。 こうした値上げ圧力の中、FLは今年度製品値上げは行わない決意です。一般にB to Bのメーカーは値上げがし易い立場にありますが、直接消費者を相手とするB to Cの場面での値上げは消費側に選択権があり難しくなります。だからこそメーカーの貢献度が問われます。FLは困難な時だからこそサプライヤーとしての役割を果たす覚悟です。 日本経済の行方 日本のファンダメンタルの評価が経済を苦境に立たせている以上、革命的なパラダイムチェンジを決断していく道しか日本経済の復権はありません。そのパラダイムチェンジのキーワードは環境と人権です。企業がこうした社会的責任を果たそうとする姿勢がパーパス経営に繋がり企業の成長の原動力になっていくと思います。 FLは食品企業として正面からサーキュラーエコノミーに取り組み開発段階からフードロス削減を考えていきます。そしてFL女子社員のポジションと 賃金のジェンダー平等を実現していきます。 +++++++++++++++++ Fruits Life Co.,Ltd #
by FruitsLife
| 2022-05-03 09:19
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2022年 04月 02日
FL新事業スタート/学校給食と有機果物 フルーツライフは4月から新たな事業に挑戦します。 文科省が公表した2021年度速報値によると全国の小学校の児童数は前年より7万700人減少し、622万3000人となり過去最少を記録しました。また総人口に占める小学生の割合は4.9%に減少、児童数減少は32年連続となり少子化が児童数減少に如実に現れる結果となりました。 漸減する学校給食 10年後の児童数は500万人を切ると予測されています。 児童数減少に伴い学校給食の食数は確実に減少し、学校給食を事業の中心 に据える企業にとっては成長が見込めないばかりか、近い将来の事業継続すら危うくなりかねません。 しかし児童数減少を一企業に解決する力はありません。そうだとすると学校給食に携わる企業は児童の減少を横目に指をくわえて衰退していくしかないのでしょうか。 環境問題から考える 今地球環境は瀬戸際にきています。 土壌の劣化が急速に進んでいます。国連の発表によると過去45年間で耕作地の40%が消失し、毎年1000万haの耕作地が失われています。 水が枯渇しています。地球の70%は水で覆われています。その内の98%は海水で、残りわずか2%が淡水、さらに淡水の内70%は南極大陸の氷です。実際に耕作に使うことのできる水は本当にわずかなものです。 しかし過度な農地灌漑の末、世界中で水源は失われ水は枯渇しています。アラル海は消失し、水を湛えていた長江は干上がってしまいました。 原因は何なのか? 国連環境計画/UNEPは耕作地消失の原因は農業にあるとしています。 安価な作物を生産するために、大量の化学肥料・殺虫剤・エネルギー・水を使用し、農地が自然に回復する力を失わせているためとしています。 つまり作物を、そして食を変えていかなければ持続可能な農業は生まれないわけです。 オーガニックを考える オーガニックはこう定義されています。 「資源の循環を育み、生態系のバランスを促進し、生物多様性を保全する文明的、生物学的、機械的な手法を統合したもの」 既に地球は、大量の化学肥料や殺虫剤や水を使用することに耐えられなくなっています。 持続可能な農業を考えた時、化学肥料や殺虫剤を使用しないで土壌そのものの力を生かす有機栽培はソリューションとなります。 世界で最も権威のあるアメリカ農務 省のオーガニック認証USDAは5項目の禁止事項を定めています。
①化学肥料の使用 ②成長ホルモンの使用 ③遺伝子組換え原料の使用 ④放射線照射 ⑤下水汚泥 学校給食にオーガニック 千葉県いすみ市は2015年に「いすみ多様性戦略」を策定し、市をあげて有機稲作に取り組み始めました。二年後の2017年には全ての小中学校の給食を有機米に切り替えました。さらに2018年には野菜を有機に拡大し、給食に使用する野菜の2割を有機野菜にしています。 また名古屋市では、保護者有志の会が4年に渡って市に働きかけた結果、2021年オーガニックバナナを12万人の小学生に提供しました。 市民の声に応える行政 こうしたオーガニック給食の高まりは、保護者を始めとする市民の声に行政が応えたものです。 市民の環境意識の高まりは少子化とも関連し、成長期にある我が子に安全で美味しいものを食べさせたい親の思いが背景にあります。 ニーズに合ったものだからこそ企業の成長につなげることができます。全国で高まるオーガニック給食への保護者の要望が成長のチャンスとなります。 オーガニックフルーツ/パインとキウイ FLはタイ、ギリシアなど海外から直接フルーツを輸入しています。また欧米で人気の高いコスタリカ産パインを独占的に輸入しています。 FLはこれまで培った海外との信頼関係を経営資源としてオーガニックフルーツの輸入に挑戦します。 コスタリカは中米に位置する自然豊かな国です。国土の1/4が自然保護区となり、世界でもエコツーリズムの盛んな国です。 コスタリカでは有機農業が盛んに行われており、USDAオーガニックパインが生産されています。 FLはコスタリカTF社から毎年40fコンテナを2度輸入しています。 ニュージーランドもコスタリカと同じ自然豊かな国です。NZ産キウイは今では普通に食卓に並ぶようになりました。 NZにはBio Groというオーガニック認証があります。USDAオーガニック認証と同等の厳しい認証です。 オ ーガニック作物を日本国内で取り扱うためには有機JASのライセンスが必要となります。 FLでは「輸入業者」と「小分業者」の二つのライセンスを取得し、年内にもオーガニックフルーツの輸入に取り掛かります。 学校給食の新たなスタンダードを目指して 資源の循環と生態系のバランス、生物多様性を守る。こうした環境ビジネスが子どもたちの健康につながる。 FLが掲げる環境と人権はこうして新たな事業として社会のスタンダードとなっていきます。 ******************************* 4月1日プラスチック資源循環法が施行されました。 FLが進めるサーキュラーエコノミーの取り組みがやっと法的根拠を持つことになりました。 ゴーストプラスチックは海洋生物に深刻な影響を及ぼしています。食品メーカーとしてさらにプラスチック汚染ゼロの取り組みを進めていきたいと思います。 ******************************* 3月東京で、FLがサプライヤーを務める食品グループの会議に参加しました。 食品業界は女性比率の高い職場です。しかし参加者の中に女性の姿はなく、各企業の幹部が出席していたとはいえ女性の存在が社会を変えていくために女性の出席は必要ではないかと思いました。 大きくジェンダー平等を実現していきましょう。 *********************************** フルーツライフ株式会社
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by FruitsLife
| 2022-04-02 16:01
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2022年 02月 26日
ビーガンケーキ全国のイオンでいよいよ発売! あんしんがとうビーガンケーキが、四月から全国のイオン(北海道を除く)で発売されます。 環境と健康を考える ビーガン”Vegan”とは何でしょう? ビーガンが世界中で話題となったのは、昨年英グラスゴーで開催されたCOP26がきっかけでした。 ビーガンとは、菜食主義・ベジタリアンと同じように考えられてきましたが、最近では動物性食品を摂らない人々の食生活を指しています。 COP26は気候変動を話し合う重要な国際会議でした。今世界の最優先事項は温暖化対策です。食品部門は全温室効果ガス排出量の1/3以上を占め速やかな対策が求められています。 その中で最大の環境負担食品が食肉と乳製品です。畜産は大量の土地と水と飼料が必要な上に、牛のゲップのメタンの温暖化係数はCO2の30倍以上です。
テニスのノバク・ジョコビッチやビーナス・ウィリアムスはビーガンがアスリートにとって最適な食事とし実践しています。 健康を考えた場合、動物性タンパク質を摂取するより、野菜や果物、大豆などの植物性食品を摂る方が体に良いとトップアスリートは考えているわけです。 環境省の21年度版白書にこう明記されています。 「何を食べるのかという選択、そして食べた後の配慮の積み重ねが環境に大きな影響を与えています」 ポール・マッカートニーが進める ”Meat Free Monday Campaign”のように、先ず月曜日の一日から、植物性食品だけの食事にすることから始めてみる、そうした試みが世界中で始まっています。 環境と人権を考える 食は文化です。宗教や民族、地域や伝統によって様々な食が生まれてきました。イスラム圏では豚肉を食べませんし、ヒンドゥー教徒の間では牛を食べることが禁忌となっています。さらに動物愛護から肉食をしない人が多くなっています。 楽しいはずの食事が人によって様々 な制約を含んでいます。人種、民族、宗教、そうした人々の多様性が重んじられる中、皆で楽しく同じものを食べるかたちはあるのでしょうか? その答えがビーガンです。 八王子市立浅川小学校では、二ヶ月に一度ビーガン給食を始めました。”エブリワン・ビーガン給食”と名付けられた給食は公立学校として初めての試みです。 六年生の男児は「ビーガン給食は動物の命を奪わない給食で、環境にも体にも良いと思いました」と反響は上々です。 レバノン、ベイルートのハイエク病院は、入院患者に動物性食品 を一切出さない完全ビーガン病院です。 ジョージ・ハイエク院長は「コレストロールとクルエルティー(残虐性)ゼロの病院食です」と胸を張ります。 子どもの成長に重要な役割を果たす学校給食、 体力を回復させ治療につなげる病院食、こうした試みは、ビーガンが栄養やカロリーでマイナスがないことを表しています。 動物福祉という考え方 欧米では動物福祉(AW)”Animal Welfare”という考えが定着しています。動物には国際獣疫事務局(OIE)の五つの自由の保障が求められています。 ①飢えと渇きからの自由 ②傷害又は疾病からの自由 ③恐怖及び苦痛からの自由 ④物理的不快さからの自由 ⑤正常な行動のできる自由 ニッポンハムGPは長期ビジョンの中で、環境と人権に並んで動物福祉を重視する方針を明らかにしました。 制定されたアニマルウェルフェア(AW)ポリシーには「生命の恵みを大切に考え家畜におけるAWに考慮した事業を行うことが重要」とし「OIEの五つの自由原則を推進する」と明記されました。 さらに世界中で非難の的となっている妊娠ストール(身動きのできない檻)の廃止を宣言しました。因みに日本の養豚業の九割は妊娠ストールを使用しています。 動物に過酷なスイーツ スイーツの製造に欠かせないバターやチーズは乳牛から、卵は雌鶏から生産されます。 昨年一月、ドイツで雄ひよこの殺処分(年間4,500万羽)が問題となり、動物福祉法(AWL)が改正され殺処分禁止となりました。 2021年、EUでは鶏のバタリーケージでの飼育は禁止となり、アメリカの多くの州でもAW上禁止とされています。因みに日本の鶏卵業のほとんどはバタリーケージを使用しています。 魔法がスイーツには宿っています。暮らしを豊かにし心を満たしてくれる魔法がスイーツです。 しかしスイーツから生まれる幸せが動物たちの不幸を代償としていては本当の幸せとは言えません。 ギルティフリーはスイーツにこそ求められる言葉です。動物性原料を使用しないことで環境と動物福祉に寄与し、心も体も幸せになることができる、それがビーガンスイーツです。 そうした時代がやってきた… FLはアレルギーデザートを通して安心して食べられるものを開発してきました。しかしアレルギー対応デザートが一部の人を対象としたものであったのに対し、ビーガン対応デザートは全ての人が対象です。 まだ日本では耳新しいビーガンも数年後には一般的になっています。何故ならそれは環境と動物福祉という人類が守らなければならないものがスイーツという形になっているからです。 人権は人以外の動物にも倫理的配慮を与えるべきものに拡大しつつあります。 FLは時代の先を見詰めさらにチャレンジを続けていきます。 +++++++++++++++++ Fruits LifeCo.,Ltd center@fruitslife.com #
by FruitsLife
| 2022-02-26 11:59
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2022年 02月 05日
コロナ以前にはもう戻らない 昨年末コロナはこのまま終息するのではないかと誰もが期待を抱いたはずです。しかしその期待はオミクロン株の爆発的な拡大で脆くも打ち砕かれてしまいました。 コロナ禍によるビジネスの変化は、果たしてコロナだけが原因だったのでしょうか? 今世界中で、気候が大きく変わってきていることを誰もが実感しています。コロナパンデミックも、野生動物が何万年とひっそりと持っていたウイルスが、開発により野生動物の生息域を冒すことによって生まれた動物由来感染症であることがわかっています。つまり私たちは、コロナパンデミックを通して環境問題が喫緊の課題であり、優先順位の飛び抜けて高い問題であることに気付かされたわけです。 フードサプライチェーンの直面する課題 環境問題への対応が今後のビジネスの成長を決めることは明白です。その中でフードサプライチェーンには直面する三つの課題があります。 ❶フードロス 誌面で毎月取り上げているフードロスには物理面と倫理面の二つの課題があります。 物理面の問題は、フードロスには製造・廃棄の両方に過大な環境負担がかかっているということです。食品分野は温室効果ガス排出量の三分の一を占め、食品廃棄は全温室効果ガスの8%に及んでいます。 倫理面の問題は、8億人を超える人々が飢餓線上に暮らしているにもかかわらず、食べることのできる食品を大量に廃棄していることです。 学校給食の安全神話 学校給食には食品事故を起こさないために厳しい安全基準が求められています。 その一方で日常生活の中では当然食べることのできるものを喫食不可として廃棄されている現実があります。 FLで今年に入ってから二回の「大量廃棄事件」がありました。 ①輸入オレンジ表皮のくすみ事件 ・地域は地方の県庁所在地小学校 ・使用食数約5,000食 ・喫食不可3校約500食 オレンジの表皮に黒っぽいくすみが散見、3校の校長先生が使用不可を決定、他の小学校は使用、食品事故・クレームなし。 メーカーとして果実内部に傷みはな く食中毒等の事故は考えられないため使用を強く求めるも喫食不可に。 廃棄を防ぐため即時に運送便を手配し、翌日愛知県の子ども食堂に届ける。 (子ども食堂、大喜びで食べる子どもたち) ②デザートオーブンの焦げ事件 ・地域はFL近郊市保育園 ・使用食数約500食 ・喫食不可1園約100食 焼菓子に点のような焦げ、1園の園長先生が使用不可を決定、他の保育園は使用、食品事故・クレームなし。 メーカーとして焼菓子のため多少の焦げはあり得、食中毒等の事故は考えられないため使用を強く求めるも喫食不可に。 廃棄を防ぐため即時に自社便で回収、翌日FL代表が理事長を務める障がい者施設に届ける。 (障がい児施設の子どもたち大喜びでした) つかう責任、つくる責任 SDGs12番目の目標は、食品・資源の無駄をなくし、食品ロスとごみの量を減らして持続可能な社会を目指すことです。 学校給食は、そろそろ環境問題と「つかう責任」を真剣に考え行動する時期に来ていると思います。中でも農産物である果物は色や形が不揃いなことは当然であり、食品事故が想定されないものは極力フードロスにならない姿勢が求められます。 ❷フロン 温室効果ガス削減にもコストが問われています。国際環境NGOが削減量と費用対効果に基づいた百のランク付けを行いました。その結果効果第一位は冷媒、第三位に食品ロスが入りました。 冷媒はフードサプライチェーンには絶対に欠かせないものです。製造にも保管にも物流にも冷蔵・冷凍設備は欠かせません。私たちの豊かな食生活もすべて冷媒によって支えられています。 フロンはオゾン層破壊物質として1987年モントリオール議定書で生産中止になりました。そのためフロンに代わる代替フロンが使用されるようになりましたが、新たな問題が浮かび上がってきました。確かに代替フロンはオゾン層を破壊しないものの凄まじい温室効果ガスを排出する物質だったからです。 温暖化係数とは温暖化への寄与率をCO2を1とした場合の係数です。代替フロン/HFCにはCO2の数万倍の温室効果があります。その凄まじい温暖化への影響に比べ、回収・分離が容易なため効果において第一位の栄誉に輝いたのです。 今後数年内にフードサプライチェーンには、冷蔵・冷凍設備を代替フロンからアンモニア等の自然冷媒への切替圧力が高まってきます。食品企業にとっては巨額のコストのかかることですが、逃れることのできない課題であり責任です。 ❸停滞する輸入 世界中で物流が停滞しています。米西海岸ロングビーチには沖合にコンテナ船が何十艘も並んでいます。コロナ禍でコンテナが不足、港湾労働者が集団感染、移民不足でカリフォルニアの収穫不能、運転手不足、高騰する海上運賃…あらゆる原因が重なり、上海でもムンバイでも世界中の国際貿易が停滞しています。 食糧の大半を輸入する日本は食品の値上がりだけではなく、オレンジが現在不足しているように食品そのものが不足する事態に直面しています。 いよいよ発売 ビーガンケーキ 三月からビーガンケーキを発売します。アレルギー対応デザートは少数者への特別な食品でしたがビーガンデザートは環境問題をクリアするために必要な食品です。時代は確実に変わっています。あんしんがとうは時代を先取りしてビーガンケーキを製造します。 ++++++++++++++++++++++++ 冷凍フルーツ生産開始! 夏の需要期に向け全力稼動中! ++++++++++++++++++++++++ FruitsLife co.,ltd
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by FruitsLife
| 2022-02-05 15:32
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2022年 01月 08日
![]() エッセンシャル&エンバイロメント 明けましておめでとう御座います。 二年に渡るコロナパンデミックが企業経営に突きつけたこと、それはリスクの分散とどんな時にも対応可能な創造力を内在しているかどうかということでした。そして今後企業にとって最も大きな圧力となってくるものが環境です。 E&E二つの事業を成長の柱に FLは2022年をエッセンシャルと環境の二つの事業を成長の柱としていきます。 Eエッセンシャルは、コロナ禍でも着実に成長したメディカル事業です。 E環境は、メーカーとしての環境対応だけではなく、新たに環境をビジネスとして事業に取り入れていこうとするものです。 ![]() ![]() Essential 新たな老健向け事業はこれまで取引のなかった大手企業から数多くの引き合いがありました。 一つはコロナ禍で売上低下を余儀なくされ、FLメディカルフルーツの販売でビシネスを再構築していこうとする動きでした。 もう一つは既に老健・介護向け事業を運営している企業が、ロス管理の難しいフルーツ加工の委託をオファーするものでした。 前者はエッセンシャルであることが重要であり、後者はコロナ禍でも成長する介護事業のニーズに応え更に拡大したいというものでした。 今年はこうした引き合いを確実にフォローし拾い上げていくFLの営業力強化を図っていきます。 Environment 環境圧力は私たちが考えているより遥かに大きくなっています。 中でも食品は人が生きていく上で最も重要である一方で世界の温室効果ガス総排出量の30%を発生させ、更に一年間で廃棄される食品の温室効果ガスは総排出量の8%に及んでいます。 ![]() ![]() 世界の人口は2050年に97億人に達すると予測されています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は気候変 動による干ばつ等で食糧生産が減少し、現在の農業システムでは増加する人口を支えきれないと警告しています。 地球の表面は70%が水で覆われ内98%は海水です。残り2%が淡水で、その淡水の70%は南極大陸等の氷です。残った僅かな淡水の内70%が農業生産に充てられ、水量は年々減少しています。 農地灌漑の末消失したアラル海、干上がった長江、国どうしの水紛争となっているナイル川、水の行方が戦争をも引き起こしています。 ![]() 土壌の劣化が凄まじいスピードで進んでいます。国連の発表によると過去45年間で世界の耕作地の40%にあたる5.5億ヘクタールが失われ、毎年1000万ヘクタールの農地が喪失しています。 米農務省は気候変動の最大のリスクは食 システムの崩壊であり、2050年までに食品価格が倍増すると予測しています。とりわけインドからサハラ以南のアフリカに広がる乾燥地帯に暮らす20億人は深刻な飢餓に直面するとしています 温室効果ガス、人口増加、水不足、表土喪失…この現実を目の当たりにすると私たちの未来は正にディストピアです。しかし一方で米国や中国では新たなスタートアップが環境ビジネスを展開し始めています。 食品の環境負担をどう少なくするか 私たちが生き残る道は、テクノロジーとエコロジーを融合したイノベーションで環境と共生していくしかありません。しかもこれは未来の話ではなく目の前の明日の話です。 ![]() ソリューションの一つは肉食を大幅に減らすことです。 世界の食肉消費量は過去30年で倍増し、20年後には3倍になると言われています。食肉の土地・水・飼料の環境負荷は大きく、また肉食は心疾患・肥満など人の健康にも影響を与えています。因みに肉牛400キロの内食肉になるのは半分、残り200キロは廃棄となり費やした環境資源も同時に廃棄されます。 更に畜産から排出される温室効果ガスは総排出量の15%に及びEV化が進む自動車より多くなっています。 フードサプライチェーンの未来 野菜生産の革命が起きています。米最大の葉物野菜の垂直農業がNY近郊のビルの中にあります。殺虫剤不使用でLED光と僅かな水と肥料で、屋外の半分以下の生育時間で野菜を生産しています。 食品の内、最も廃棄される食品は野菜と果物です。しかも消費地は人口の集中する都市部が8割を占め、チルド輸送と長いサプライチェーンがCFP/Carbon Footprintを増やしています。都市近郊の屋内で野菜を生産することでCFPも廃棄も大幅に少なくすることができます。 ![]() ![]() フードロスに消費期限問題があります。 米食品医薬品局は消費期限を未規制としています。理由は米国で期限後の食品を食べたことによる食品事故が一例もなく、事故は汚染と不適切な保存が原因だからです。 消費期限を超えた食品を一律廃棄するフードサプライチェーンのあり方を再考するだけで食品廃棄を大幅に減らすことができます。 WWFは動的価格設定のシステム化を進めています。 スーパーなどの無駄な仕入れが廃棄原因のため、数千万世帯の買い物動向をデータ化し把握、需要と供給量を一致させフードロスを無くそうとしています。 企業はベネフィットです。廃棄価格を高くすることで企業収益に廃棄の影響を持たせます。 野菜と果物は廃棄の最も多い食品です。変色や鮮度を維持するために劣化原因となる酸素を排除する試みが米スタートアップで進んでいます。 ①ブドウの皮の原料で作る被膜スプレイ ②酸素を吸収する包装フィルム FLのアジェンダ FLは3E(3の環境)を進めていきます。 1生産拠点を東日本と西日本の2工場にし生産のCFPを減らします。長いチルド輸送は、CO2排出と果物劣化を招きフードロスの原因となります。 2ガス置換で酸素を減らすと同時に衛生管理を徹底し消費期限を延長、食品廃棄を減らします。
3動物性タンパク質を使わないビーガンデザートを開発し、乳・卵の畜産原料を減らします。 ![]() ![]() 更にメーカーとして時代にそぐわない学校給食の安全神話を環境に適した安全理念にチェンジしリードしていきます。 +++++ ・缶詰の軽微な凹みと消費期限の過度な期間要求 ・果物の変色及び形状の過度な均一要求 +++++ 学校クリスマスケーキ50万食製造! ありがとうございました。 コロナ第6波気をつけましょう。 今年もよろしくお願いいたします。 Fruits LifeCo.,Ltd center@fruitslife.com #
by FruitsLife
| 2022-01-08 13:17
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